9月22日に「ニュータウン人・縁卓会議in港北ニュータウン」が開催されます

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縁卓会議0922ポスター


2006年に多摩ニュータウンではじまった「ニュータウン人・縁卓会議」が、本年、港北ニュータウンで開催されます。それぞれのニュータウンの課題に取り組むNPOなどが自発的に集まり情報交換するもので、午前のエクスカーションのあと、午後には、千里ニュータウン、泉北ニュータウン、多摩ニュータウン、高蔵寺ニュータウン、千葉海浜ニュータウン、金沢シーサイドタウン(横浜)、 ひばりが丘団地(東京)、港北ニュータウン(横浜)の報告と、「ワールドカフェ」方式のディスカッション「ニュータウンの新たな役割を考える」などが予定されています。そのあと立食懇談会。

「ニュータウン人・縁卓会議in港北ニュータウン実行委員会」が主催。港北ニュータウン研究会のメンバーもこの実行委員会に加わります。

 

(過去の縁卓会議の様子は、「ニュータウン人・縁卓会議」と検索するとたくさん出てきます。)

 

[参考]

港北ニュータウン研究会(facebook)

 

 

『これからの郊外のあり方とその実現方策に関する研究』報告書が刷り上がりました。

横浜市の郊外を対象とした調査研究報告書です。

第一章 新たな郊外像の概念的検討

第二章 農を含む郊外住宅地の将来ビジョン模索(ケーススタディ)

第三章 戸建専用住宅地区の利便性向上と農地の可能性(二低専の効果も含むケーススタディ)

第四章 郊外のこれからのビジョンを支える制度設計

 

第一生命財団の助成研究。昨日、報告書が届きました。声をかけていただきましたらお送りします。

 

[参考]【研究ノート】新しい都市計画システム

https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/20150424/1429839716

「【公開講座】横浜防火帯建築を読み解く」がシリーズで展開中

横浜の中心市街地を特徴づける防火建築帯を継続的に研究している藤岡先生が、横浜国大公開講座でもそれをテーマに議論を展開中です。

第1回は6月に終わってしまいましたが、次の第2回は7月17日。以後、9月、10月、11月と各回テーマを設けて議論が展開。まさに「都市イノベーション・next」です!

[公開講座の予定]

https://www.ynu.ac.jp/hus/sangaku/21879/detail.html

 

本年2月には調査結果について横浜市からプレス発表もあり、さまざまなメディアでも取り上げられました。

[横浜市の記者発表] 調査結果概要も詳しく掲載されています。

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/bunka/2018/20190227boukatai.files/20190227.pdf

 

 

NHKスペシャル「豪雨災害からどう命を守るのか、最前線からの報告」(6月30日夜)

昨年12月、JR伯備線に乗って倉敷駅を出たあと、しばらくの間、まだ災害の爪痕の残るまちの様子が間近に見えました(被災後5.5か月)。伊勢湾台風の前年に生まれた私は、よく親からそのときの大変さを聞かされたものです(私には記憶がないのですが、、)。

当番組で印象に残った2つのことを、忘れないように書き留めます。

 

1つ。今回も災害弱者の被害が大きかったこと。大きな河川の支流のまたその支流の深夜の決壊で数メートルの水位となり、1階にいた高齢女性が亡くなったケース。「大きな河川」の流量が増して「支流」の水が出られなくなり「またその支流」も玉突きで滞り決壊。水位計はそのような支流には設置されておらず深夜だったこともあり逃げられなかったのだと。当時を再現した実験もリアルで説得力がありました。

2つ。なぜ避難しなかったのか。避難指示が出ても、多くの人は避難するまでに至らない。こうした行政情報も重要な要素なのですが、実際に避難した人を調べてみるとこれだけで避難した人はごく少数。たいていは「たぶん大丈夫でしょう」との反応。あと2つの要素がある(3つすべてでなく3つのうちどれか1つあるいは2つ,3つ)というのが調査結果で、片方は(番組では「避難スイッチ」と呼んでいた)実際に異常現象などに遭遇したり自らの目で「危ない」ことを認識して避難へのスイッチが入ること、もう1つは近隣の方などから一緒に逃げましょうと誘われるなどの共助の取り組み。

 

これらだけで一般化はできません。けれどもちょうど先週もM市の立地適正化計画の居住誘導区域の話をしていて、1つめのような議論をまさに確認しようとしていたところ。2つめの議論は密集市街地等で「危ないと言われているのになぜ耐震改修や建替えが行われないのか」に近いもの。科学的にも、実践的にも、解決すべき課題はいくつもあります。

『レオナルド・ダ・ヴィンチ(上)(下)』

「都市イノベーションworld」第100話。

ウォルター・アイザックソン著(土方奈美訳)、文藝春秋2019.3,30刊。

 

7200ページの自筆メモを頼りにレオナルド・ダ・ヴィンチに迫る新スタイルの伝記。その描写を通して、ダ・ヴィンチの何がイノベーションの源泉だったかが500年の時を超えて手に取るように伝わってきます。訳のなめらかさと、500年前のカラーがきれいに見える印刷にも助けられた、秀逸な内容です。

 

ダ・ヴィンチイノベーション力の源を二つに絞ると、第一に、観察。

「キツツキの舌を描写せよ」。これはダ・ヴィンチ・コードではなく、観察ということを象徴するダ・ヴィンチ自身のテーマです。動態視力が恐ろしく良くなければ、また、じっと何時間も集中して観察しなければ、自筆メモのような描写はできません。

第二に、描写。「モナリザ」のダ・ヴィンチから入ろうとしてもほとんど理解不能ですが、本書に示された多くの自筆メモを見ていくと、「そうか。物事をとらえるというのは、こうやって描写することによって(自分もわかるし)万人に伝わることなんだな」ということがわかります。鳥の羽ばたきも、なぜ、どうやって鳥は飛べるのかということも。人間の表情や動きも。谷川の流れも。渦も。

 

ある意味、観察と描写がちゃんとできれば、それだけでイノベーションなのだと。「それだけ」と書きましたが、徹底的で正確な「ちゃんと」でないとダメなので、観察は徹底して、桁違いにいくつも、いろいろなものについて行われる。見えない部分は想像力で補い、矛盾があればまた観察して修正する。その結果、法則のようなものも見えてくる。

また、第二の要素だけとっても、その描写・表現がさまざまな技法やセンスに支えられた高い芸術レベルであることで、観察したことや想像したことがさらに本当らしくなる。逆に、描くことによって発見があり、さらにそこに絞って観察したり想像するとまた発見がある。

こうした知的営みをするには科学だけではダメで、芸術だけでも限界がある。ゆえに、芸術の中心であるフィレンツェよりも、画家、舞台芸術家、科学者、数学者、技術者の集まる「ミラノの知的環境のほうが適している」(下・p149)とダ・ヴィンチは考えていた。イノベーションを促す都市や大学や組織のありようをも示唆する、余韻の残る2冊でした。

 

〈都市イノベーションworld・完〉











イノベーションの源泉

「都市イノベーションworld」第99話。

イノベーションは何によって起こるか?

2017年3月18日に作成した「イノベーションの源泉」というページは、以下の5つの観点から本ブログ内関連記事を整理したものでした。

■人的資本とイノベーション

■科学技術とイノベーション

■政策とイノベーション

■地域連携とイノベーション

■都市が生み出すイノベーション

 

「都市イノベーションworld」を終えるにあたり、このページにリンクしやすくします。右帯のリンク欄にも入れておきます。

次の第100話の人物はこれら5つのどれにもあてはまらないかもしれず、すぐに再編の可能性もありますが、現代社会にとても重要な「イノベーション」そのものを考える手がかりになればと思います。

 

[リンク先] 「イノベーションの源泉」

https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/20170318/1489800885

 

都市計画の進化は何によって起こるか?

「都市イノベーションworld」も第98話。今回も含め、あと3回となりました。

そこで、最後の3回を関連づけて書きます。今から98,99話を書きますが、最後の第100話は歴史上の特定の人物の話。少し間が空きます。

 

第98話が標題の「都市計画の進化は何によって起こるか?」。

2017年1月に横浜で開催された「都市計画セミナー」を紹介した「関連記事」では、話した内容を言葉で紹介していますが、このセミナーの最後に「結」としてお話しした「都市計画と都市イノベーション」という図を今回アップすることにしました。

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[図] 都市計画と都市イノベーション

横浜の近代都市計画の歴史を通しでみるとこうなりそうだ、というのがこの結論の主旨です。本年11月の都市計画学会でもこのような話にもなるとおもしろいのでは、と思っているところですが、結局、時代の変わり目には新たな課題解決が強く要請されて、やむにやまれずもがいているとそこにイノベーションが生まれた、とのストーリーです。

[2019.7.10追記] まとめの表もつけてみます。

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このようなことは、世界の多くの都市にもあてはまるのでは、、、。

 

[関連記事]

「都市計画と都市イノベーション〜ヨコハマを通して考える」 

 

 

2019年11月(8~10日)に横浜で都市計画学会全国大会が開催されます。

昨年度から「大会」化された都市計画学会が横浜にやってきます。「大会」化というのは、単なる学術発表会ではなく、開催地の特色を出しながら、実務家やまちづくりにかかわる市民なども参加・参画できる新しい形のイベント(をめざすもの)。

昨晩もそのようなイベントをめざして準備する会合が横浜関内でありました。広く横浜のまちづくりを見て回るエクスカーションや、シンポジウム、トークセッションや展示会、ワークショップなど、最新の都市計画の研究発表とともに、ヨコハマの街やまちづくりをたっぷり味わえる大会になりそうです。

 

[2019.9.20追記] 公式情報は以下の学会サイトで。

https://www.cpij.or.jp/event/conf/2019.html




災害に備える

地震が続いています。

昨日、密集市街地の整備の新たな方向についての原稿ができ編集の方に送ったあとグラッときました。正確にいうと、ゆっくりと揺れるような感じです。最近、東京の、まだ解消していない木密地域のまちづくりにかかわることになったところです。

これも昨日、随分前にたのんだ『AFTER GREAT DISASTERS』(Lincoln Institute,2017)という本が届きました。中国、ニュージーランド、日本、インド、インドネシアアメリカで起きた近年の大災害からの復興に関する比較分析です。たまたまですが、視聴率超低迷のNHK大河ドラマ『いだてん』では一昨日、関東大震災後の様子が描かれました。下町全体が焼失したため、実際には災害直後に大公園等が避難所となり、上野公園50万人、皇居外苑30万人、芝公園20万人、日比谷公園15万人、浅草公園10万人などだったとされます。番組ではそのあとのバラック(仮設住宅)建設場所の不足が課題となっていました。19日の伊藤滋先生の講演「万華鏡都市東京」でも現時点での東京の避難の提案があったばかりです。

 

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