世界10都市の「住みやすさ」

実はこの「Happiness and Quality of City Life」調査を依頼したのはソウル市。ソウル市が市政を考えるために2006年に発注したものでした。
調査方法等の細かな点は論文を読んでいただくとして、各都市の居住者アンケート調査結果は以下のとおりです。
Economy,Culture,Welfare,Safety,Lack of polution,Living,Administration,Communityの8つの観点で10都市を1位から10位まで評価した平均値は、
ストックホルム2.8>パリ3.6>ベルリン3.9>ロンドン4.0>ニューヨーク4.6>トロント6.0>東京6.6>ペキン7.0=ミラノ7.0>ソウル9.5
でした。発注者のソウル市は、現在は課題の多いソウルが「住みたい都市」となることをめざしてこの調査を発注したと考えられます。また、論文の著者はミラノが最近「住みにくい」都市になりつつあることを憂えてこの論文を書いています。
東京はLack of pollutionが3位でしたが、その他は5位以下です。Economyは最低の10位でした。これは、その要素が雇用機会および物価によるためです。東京は都市競争力では世界の上位にランクされるのですが、「住みやすいか?」と問われると低くなるわけです(Economyの1位はロンドン)。では、東京はSafetyで高いランクかというとそうでもなく5位です。これもその要素が夜の安全および交通事故・火災・ビル崩壊によるため、地震や大火の危険の高い東京は低くなるためと考えられます(Safetyの1位はストックホルム)。