出島復元

「そこまでやるの?」と驚くとともに時代の変化を感じるのがこの話題。「話題」というと皆が取り上げているような言葉ですが、ここではあくまで「都市イノベーション読本」での話題。
そもそも出島の再生事業がはじまったのは1951年(昭和26年)と、60年以上も前の話。具体的な復元事業がスタートしたのも16年前の1996年(平成8年)。先日訪れてみると、発掘作業が進行中の敷地がいくらかあるものの、かつての出島にあった建物の復元がかなりの程度進んできています。2016年頃には建物が完成予定。しかしまだこれは「短中期計画」の話。
ここからがまさに都市イノベーションの世界です。
その後予定されている「長期計画」によれば、市街地の中の「出島」エリアに建物を復元しただけでは本当の出島ではないということで、周りに水路を掘り、陸から出っ張った形の本来の出島にするという計画。しかし例えば出島の西側には幹線道路の国道499号線が走っているので、これを西側に移動させる予定。ちゃんと出島が「陸から出っ張った形」で海の上に突き出すよう市街地をつくりかえる予定とのこと。
幕末に横浜などが開港する前は、長崎の出島が、西欧の情報や文化が入ってくるほぼ唯一の場所だったことを考えるとその希少価値が高いことはよくわかるとはいえ、ここまでして歴史を掘り返すような時代になったことに、ビルを減築してまで明治時代の湯を復活させた前回の話題と合わせて、日本も確実に新しい時代に入ったことを実感します。