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横浜で都市計画学会全国大会開催(11月8,9,10日)

城下町

松本四郎著、吉川弘文館 (日本歴史叢書)2013.1.20刊。
第79話の『信長の城』は近世の入り口までの城下町という形態の誕生を描いていますが、そのあと、城下町という都市形態がどのように確立していったかをまとめた基礎研究書。近代に入り近代都市計画によって城下町が現代都市へと引き継がれる経緯については佐藤滋著『城下町の近代都市づくり』などがあるので、本書を間にはさむと時代が連続的になり、都市の歴史を進化過程としてとらえることができそうです。
この書では、近年、大都市のみならず各自治体で編纂されるようになった諸資料を吸収し横断的に理解・解釈する形で城下町の特徴を論じている点が特長の1つです。内容でもう1つ注目されるのは、もともと周辺地域から集められたり城下町建設に伴う“再開発”で移動させられた人々がどのように再配置されたか、また、例えば町人地に集められた人たちがどのようなシカケで城下町としての安定した土地利用を維持できていたのか等が、諸説を統合する形で整理されている点です。特に、さまざまな役負担(労働提供)を課すかわりに、地子(じし)といわれていた地代を免除していたことなど、今風にいえばインセンティブを与えながらwin-winの関係を築き都市経営を行っていたその実態、およびその進化過程を明らかにしています。
単なる歴史として読むことも可能ですが、都市イノベーション的視点から読むとさらにその先も知りたくなる魅力的な図書です。