BID(Business Improvement District)と近隣計画の関係

2つ前の定点観測の記事で、近隣計画とBIDの範囲が重なるケースがあることを紹介しました。
Progress in Planning77(2012)に掲載されている「Business Improvement Districts and the recession」という論文(143-177頁)では、BIDの側からみた近隣計画との関係を考えるための重要な分析結果が示されています。
リーマンショックがあったにもかかわらずBIDは結構がんばっている、との総論的結論のあと、これからのBIDは、1)メンバーに特化した「Club BID」、2)ガバナンスを強化して地域の責任も担いうる「Expanded BID」、3)地方などの小さな組織で特定のサービスに特化する「Contractor BID」の3つのタイプに進化していくのではないか、との方向をイメージしています。近隣計画の主体として最も近いのは2)番のケース。
たとえば、7月4日の記事で事例の3番にあげたバンクサイドでは既に「Better Bankseide」というBIDが活動していて、その活動の一環として近隣フォーラムを立ち上げ近隣計画策定をすすめていることがわかります(下記URL)。このような動きは先の分類では「Expanded BID」。
http://www.betterbankside.co.uk/development/bankside-neighbourhood-forum

実は、横浜市地域まちづくり条例の運用(特に商業地における地域まちづくりルール)においてもこのあたりはいつも議論になりました。
重要な論点としてさらに注目していきたいと思います。