常磐線沿線地域(南相馬以南、広野町以北)の再生への道筋(その8)

2017.3.11。今から3年5か月後、被災から6年目となるこの日を目安とする「再生への道筋」が、少しだけ具体化してきました。
(その7)では、いわき市から北に向けた楢葉町の「再生への道筋」と、それに関連して北側の南相馬市小高区の動きをみましたが、それらにはさまれた4町につきはじめてふれます。

2017.3.11は、この日を過ぎると原子力損害賠償基準上、被害が「全損」となり、「線引き」の仕方にかかわらず町民が同じ扱いになることから富岡町浪江町も町への帰還の方針を2017.3.11以降としています。この頃になれば既に常磐自動車道は開通していて、たとえば富岡-仙台間約100キロを1時間プラスいくらかで行き来できるようになっていると考えられます。また、JR常磐線も北から浪江まで、南から富岡まで(あたり)の復旧が想定されます。
残る双葉町大熊町は「帰還困難区域」が多くを占めているため、2017.3.11の時点からさらに先を考えざるを得ない状況にあります。

最近、3700戸の「原発事故避難者向け災害復興住宅」の建設が実際のスケジュールに乗ってきました。
(福島民友記事へリンク)
http://www.minyu-net.com/osusume/daisinsai/serial/130911-4/news1.html
例えば、いわき市は1800戸、南相馬市は410戸。これまでに経験のなかった「仮の町」のまちづくりです。
[12/20追記:整備戸数の見直しがありました。南相馬市が900戸とかなり増えています。
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20131220_seibikosuuminaoshi.pdf]

これらは、避難者へのアンケート調査などから必要戸数を試算したものと思われます。直近のアンケート結果は富岡町が2013.9.27に、浪江町が2013.10.4に公表されました。
(富岡町)http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/ikoucyousa/20130927115226.html
(浪江町)http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/ikoucyousa/20131004100554.html
2013.10.4には双葉町大熊町の最新アンケートに着手。2か月ほどで結果も公表されると思われます。

[10/16追記:15日に第3回富岡町復興まちづくり計画検討委員会が開催され、JR富岡駅周辺に都市機能を集積整備するなどの内容をもつ計画素案のたたき台が示されたと福島民友が報じました。下記URLは富岡町復興まちづくり検討委員会の記録です。
(第1回)http://www.tomioka-town.jp/living/cat25/2013/06/000928.html
(第2回)http://www.tomioka-town.jp/living/cat25/2013/07/001033.html
(第3回)http://www.tomioka-town.jp/living/cat25/2013/10/001241.html

同様に、浪江町においても復興計画の具体化作業が進んでいます。平成25年度は復興を実現していくための課題解決策を模索する「町民協働による進行管理部会」と、まちづくりの整備方針の具現化を図る「まちづくり計画検討部会」とに分かれて検討中。下記URLは「まちづくり計画検討部会」のこれまでの検討経緯です。
http://www.town.namie.fukushima.jp/site/shinsai/20130712-matidukuri.html

(その7)

[参考]本ブログの東日本大震災復興計画・復興事業「★統合ファイル