『イギリス文化と近代競馬』

4月です。今から200年前の1814年にイギリスではじまった“1000ギニー・ステークス”が125年後の1939年に日本に「輸入」され、4月に入ったこの時期に“桜花賞”として開催されています。この本は、もともと貴族やジェントルマン層の間で私的にはじまった競馬がどのように近代化されて世界に広まったかを綴った興味深い図書です(山本雅男著、彩流社、2013.10.25刊)。
「近代」というものの性質を考えるうえで、さらにはそれを乗り越えようとする試みを歴史的に考えるうえで、サッカーやオリンピックなどと並んでおもしろい材料です。
6月になると“ロイヤルアスコット”と呼ばれるイギリス王室主催の競馬週間があり、着飾った大勢の男女がアスコット競馬場に足を運びます。以前、アスコットへの出発地となるロンドンビクトリア駅で駅中がファッションショーのごとくごった返す風景を目の当たりにしました。特に目立つのが女性の帽子のデザイン。ロイヤル・エンクロージャーと呼ばれる特別な場所に入るためには「フォーマルドレス&パンツスーツ(上下同じ素材)、衣服に合う頭が隠れる帽子の着用」がルールになっているとか(ウィキペディアによる)。
「イギリスの競馬は近代化への先駆けとなりながらも、その実態として近代化していない側面を多分にもっているということです。「近代化」というのが歴史の必然ではないことを示しているといってよいでしょう」(p84)という部分がいかにもイギリスらしい魅力の1つです。スコットランドの荒れた芝と寒風に苦しむタイガーウッズを見る思いがします。

なぜこれが「都市イノベーション2020」なのか???
実は昨日スタートしたゼミで、A県出身のS君が、G市では大正期に電線が街に張り巡らされて低く抑えられていた山車(高さ20mにもなる“たちねぶた”)が、1990年代に入って復活し、駅周辺では(山車が通れるよう)電線の埋設工事などがおこなわれている、と話していました。その話を聞いて、なぜかこの近代競馬話が結びついてしまいました、、、
私たちのめざす都市とはどういうものなのか、意外なテーマがそれに関連していそうです。