Foyles at 107

「世界で最大の」書店フォイルズ。そのフォイルズが先週土曜日に新店舗を現店舗の近くにオープンした(チャリングクロスロード107番地)との記事を見て驚きました。あの、未整理のままうず高く積まれホコリをかぶった山の中からお目当ての本を見つけ出すのが楽しみだった(??)フォイルズが、どんな風になったのか、、?!! すぐにでも駆けつけたい気分です。
eBookやアマゾンに押されながらもなお「書店」という存在が成り立つことを示してくれているものと期待します。
とはいえ最近、久しぶりに神保町のS書店に行ってみると、買い物カゴで各フロアを回り最後は1階のレジに並んで清算するシステムとなっていて、愕然としました。自分がアマゾンの倉庫で、注文した本を集めているような気分になりました。ほしかった本もなかったためT駅近くのM書店にいってみると、今度は多くの従業員が広大なフロアの書棚にワゴンで運んできた本をせっせと並べる姿だけが目立ち、その感をさらに強くしました、、、(自分の高齢化現象?)。
このフォイルズ。「1903年、公務員試験に失敗したウィリアム・フォイルとギルバート・フォイル兄弟が大量に所持していた受験用の教科書を売却したところ、在庫以上の注文を受けたことが店を開くきっかけとなった」(ウィキペディア)とか。
「未整理のままうず高く積まれたホコリをかぶった山の中からお目当ての本を見つけ出すのが楽しみ」にかわるどのような楽しみで都市イノベーションしてくれているのか。ちなみに、新店舗はアールデコ建築で、もとは「セントラル・セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン」の校舎。書店にすると一般には「用途転用」となり許可が下りないところを、「文化施設」と読み替えて許可されたとか(Financial Times 6月7・8日号)。本日の朝日新聞朝刊では、「出版界 縮小の一途」との見出しで、新刊を扱う書店の無い日本の自治体が334になったとの数字を伝えています。
20年後の都市はどのようになっているのでしょう。

[関連記事]
・「世界で最も美しい書店」(都市イノベーション読本 第83話)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130226/1361859102
・文化の樹を植える 「函館 蔦谷書店」という冒険(同 第91話)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130423/1366690979