LSE Cities

2016年にオリンピックを開催するリオを、「グレーター・リオ」としてスケールアップしグローバル競争に対応しようとしているさまをとらえた論説の中で、「GLOBAL METRO MONITOR」という研究プロジェクトがあるのを知りました。キーワード検索で最初に出てくるブルッキングス研究所の「見える化」されたデータもおもしろいのですが、少し下に出てくるLSE(ロンドン大学。ロンドンスクールオブエコノミクス&ポリティカルサイエンス)の「LSE Cities」という組織が目に留まりました。(「GLOBAL METRO MONITOR」の共同研究機関としてたまたまつながっていた)

「もしかして」と探ってみると、、、
この「LSE Cities」という“グローバル拠点”は、LESの地理・政府・社会政策・社会学部門の都市分野を横型につないでセンター化したもので、ドイツ銀行の資金などが入っているようです。「GLOBAL METRO MONITOR」も、手がけている研究プロジェクトの1つ。
都市(計画)をテーマとしたグローバル拠点の1つです。
1993年に客員研究員としてお世話になっていた頃は、まだ「都市や世界各国・各地域に関するさまざまな研究が行われている。学士、修士、博士がとれるさまざまな教育プログラムがある」くらいにしか見えなかった分野が、こうして拠点化して「見える化」されると、ずいぶん進化したことを実感します。1993年はまだどちらかというと「ベルリンの壁崩壊」後の雰囲気で、そのあとグローバル化が一気に進み教育研究組織として適応・進化したのではと思います。
LSE自体の構成はというと、24部門、19センターというコンパクトな構造。経済と政治に特化したスクールのなかでこれだけの部門とセンターを擁し、すべてがグローバル化した状態と考えると、普遍的な教育研究機関としてもますます興味が湧いてくるところです。学生数は概数で、学部4千人、大学院6千人の計1万人(国内3割)。参考のため横浜国立大学は計1万人(国内9割)はほぼ同じですが、学部7千人、大学院3千人です。

[参考]LES Citiesの「GLOBAL METRO MONITOR」のページ
http://lsecities.net/publications/reports/global-metro-monitor/
[参考文献]LSEという大学の歴史について
LSE物語 現代イギリス経済学者たちの熱き戦い』木村雄一著、NTT出版2009。