Happy City

自動車に占拠され路上でのコミュニケーションがなくなってしまった街中、郊外化により人がまばらになってしまった街中を市民の手に取り戻すことがHappy Cityへの近道であり、それはこれまでのやり方に比べて安く早くできることを、世界中の先進事例を紹介しながら訴える、さわやかな図書。
著者はジャーナリストのCharles Montgomery。FSG、2013刊。副題は「Transforming Our Lives Through Urban Design」。学術書というより読物。とはいえ、学術的成果もかなり広範に噛み砕かれた形で紹介されています。
特に中心的に取り上げられているのがボゴタの実験的・先進的取組。有名なバスシステム構築の背後にある、リーダーのビジョンや路上を市民の手に取り戻すさまざな実験的取組が紹介されています。犯罪で有名なコロンビアが、こうした取組によりとても安全になったとも。
そのほかにも、コペンハーゲンやパリ、バンクーバーについてやや詳しくページが割かれ、NYもいくらか出てきます。
以上はHappy側の話。一方、前半には、サンフランシスコ大都市圏での車に依存せざるを得ない生活がかなりリアルに描かれ、ガソリン依存の北米都市の問題が執拗に語られます。しかしそのような問題を抱えた家族もエピローグでは幸せをつかんだようで、、、

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・「New Urbanism & American Planning」(都市イノベーション読本 第20話)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20111101/1320112303
・「ON THE HIGH LINE」(都市イノベーション読本 第62話)
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