『夢のほっと館』

『Good Cities, Better Lives』の第2章を読み終えました(11月26日の話の続き)。
この章は英国の住宅問題に対するホール氏の問題整理で、住宅に対するきわめて低い投資の問題、政府の住宅予測が量においても住宅タイプにおいても地域的配分においても問題があるとの指摘など、ある意味、かなり以前から指摘されていたことの現在バージョンとなっています。たとえば「イギリスの住宅はアンティーク風でいいネ」などという日本からみた一般評価とは裏腹に、私の住んでいたフラットもとてもいいところでしたが老朽化しており維持管理がたいへんで(私が維持管理作業をしたわけではありませんが)、「あそこの家では風呂が床ごと階下のお宅に抜け落ちた」などという噂を耳にしたり、実際、屋根からの水漏れはしょっちゅうだったりしました。
そんな話に刺激されて、日本の地方都市はどうなってしまうのだろうか、どうしたら大きな経済の流れに乗り遅れず、あるいは新たな経済の流れを起こして雇用を生み出し大きな経済の流れに翻弄されない地域社会をつくれるか、、、などと考えているとき、ふと、表題の図書を先日Kさんからいただいたことを思い出しました。
ホール氏が『Good Cities, Better Lives』第2章に書いていない(本当はイギリスが最も得意とする)ボトムアップの住宅づくりを日本で先進的に行っている「NPO法人ほっとコミュニティえどがわ」が手掛けた『ほっと館』。当時江戸川区の仕事(江戸川区「住まいの検討委員会」)にかかわった際のご縁で私も「ほっと債」の出資者となり、Kさんを含むこのNPOが「地域が連携し「住みたい都市」をプロデュース」した結果、ほっと館ができたばかりでなく苦労を乗り越えて10周年を迎えたのでそれを祝おうと企画されたのが本書でした。ご縁もありその座談会に声をかけていただきそこではじめて、連携していた地域の方々や専門家などと出会いました。
これからの「地方創成」「都市イノベーション」の1つのモデルになると確信する「ほっと館」方式。
『夢のほっと館』(1500円+税)の問い合わせ先は、03-3652-7212(上記NPO)まで。