ロンドンの人口が史上最大に

1月10・11日付のフィナンシャル・タイムズによると(p6)、先週、ロンドンの人口が史上最大になったようです。これまでの最大値は第二次世界大戦直前の1939年に記録した8615245人。しかし戦後は「大ロンドン計画」で意図的・計画的にロンドンの機能分散をはかったことなどから戦前の人口は回復せず、それどころか1991年の国勢調査時には640万人にまで減少していたとのこと。
それがついに先週、8615245人の記録を抜いたというものです。
この記事では最後に、「話はそれではすまない」として、市長室では2030年までに人口は1000万人を超えると予測していることを紹介しています。さらに最後に「このサクセスストーリーが続くとすると、投資するなら今です」と結んでいるのはこの新聞の特徴が最大に出ているところ。
都市計画的興味からも目が離せません。

ところで、昨日の『発展する地域 衰退する地域』ではこれに関連してユニークな考察がされています。都市を単位に都市間交易をして世界経済が発展してきたととらえると、国の単位でさまざまな制度を定めることによって、国内のある都市にはピッタリの制度であっても別の都市にはむしろ足枷となり発展を阻害することになる。多くの国ではロンドンのような首都を中心に制度が組み立てられるので、地方都市にはマイナスになることが多い。特に1国の中に支配的な中心都市があると、このようなメカニズムによりその中心都市以外の都市は成長しづらくなり(衰退し)、ますますその中心都市に1極集中しがちである、というものです。11月26日の記事ではそのあたりのことをピーター・ホールの議論も含め話題にしています。