空か陸か海か/空と陸と海と

3.14改正のJR時刻表が明日発売予定です。北陸新幹線の開業をもって、国内を「陸」づたいにかなり広範に気軽に行けるようになった気がします。「空」より「陸」が速くなります。さらにリニア新幹線ができ大阪まで67分で到達するようになると、広島まで2時間40分ほどとなり(現在は約4時間)、「空」に対して「陸」が有利に。国内的には「陸」が確実に縮まっていて、気づかないうちに(良くも悪くも)都市イノベーションが進行しています。
などと考えていると、ふと「空」の縮まり方が小さく地球上を自由に移動できない限界はどれくらいか知りたくなりました。IBS(計量計画研究所)が50年前と現在をさまざまな指標で比較しているので(研究活動報告2014、p6)、「陸」と「空」の最短移動時間の部分だけみてみます。
東京大阪間では1961年に鉄道で390分だったものが2013年に150分と0.38倍。東京パリ間が「空」経由で1964年に1030分だったものが2013年に750分と0.73倍です。リニアが開通し東京大阪間で67分となると上記倍率は0.17倍。「空」の方は今のまま推移するとして「陸」0.17対「空」0.73です。もし仮に「陸」並みに0.17倍のスピードで「空」を行けるとすると1030×0.17=175分でパリに。広島程度の近さです。気軽にショッピングといきたいところですが、そうはなりそうもありません。
こう考えていくと、「空」「陸」「海」の組み合わせで都市が変容していて、「空」はいくらがんばっても距離がなかなか縮まらないがゆえに良い意味での都市ごとの違いが保たれているのかなぁ、などと思ったりします。

ところで、「海」の話はIBSの表には出ていませんので話題を1つ。
現在、沼津港のビジョンづくりにかかわっているのですが、長年親しまれてきた“ホワイトマリン”による西伊豆航路が昨年8月31日をもって「停止」してしまいました。旅客船が通わなくなった沼津港。なんだかそこにポカンと穴があいたような、沼津港が沼津港でなくなってしまったような虚脱感を感じます。もちろん沼津港はグルメタウンで知名度も高く、漁港としての存在感もあります。利便性だけみれば「海」は「陸」に勝てず、「海」の旅客航路はそもそも成り立たなくなってしまったのでしょう。大げさにいうと、沼津は「陸」だけの都市になりつつあるともいえます。
シドニー旅客船ターミナルは「陸」と「海」とをシームレスにつなげ、シドニーらしさの象徴でもあります。バンクーバーのシーバスは、一度廃止されたものを1977年に復活したものでした。バンクーバーではカナダらしく小さな水上飛行機が都心部と州都があるバンクーバー島などを結んでいて、「水」「陸」「空」がそろった都市になっています、、、
おっといけない。。3.14のダイヤ改正からこんなところまで話がひろがってしまいました。
まずは、これまで行きにくかった富山-金沢方面に出かけてみることにします!