The Travel & Tourism Competitiveness Report 2015

昨日発表された2015年版の「The Travel & Tourism Competitiveness Report」がメディアでとりあげられています。
「前回の14位が9位に上がった」「おもてなし世界一」などの見出しが多いのですが、では、どういう要因でランクが上がったのか? そんなに簡単に評価は変わるのか? どうやって調査したのか? などをちゃんと紹介しているものはありません。
内容はとても興味深いので、本ブログとしては、原文レポートで理解する、前回2013年と比較する、という方法により発見したことをいくつかにまとめます。

1)調査は2007年にはじまり2年ごと。今回が5回目。
2)調査項目に入れ替わりなどがあり、2013と2015を比較してもかなり変化。
3)調査は世界の「over 15,000 business executives and business leaders」に尋ねている。
4)4つの大項目、14の中項目、90の小項目にわたり集計。
5)「おもてなし」は2013年調査にはない。2015年での原文は「Treatment of customers」

1)はWEFのHPで検索すると出てくる。2)により厳密には推移が比較できない。3)により一般観光客の意見を聞いたものではない。4)は見どころで、500頁以上ある2015年レポートでは192〜193頁が日本のデータ。5)のようなことに気をつけながら下記pdfで1つ1つ比較するしかない。ざっとみると、羽田空港の国際化の進展や、観光政策の位置づけ強化などもプラスに働いているようです。

[2015レポート]
http://www3.weforum.org/docs/TT15/WEF_Global_Travel&Tourism_Report_2015.pdf
[2013レポート]
http://www3.weforum.org/docs/WEF_TT_Competitiveness_Report_2013.pdf

2015年報告書で「Treatment of customers」が1位となったことは喜ばしいことです。さきほど帰りに立ち寄った店でもドイツ人夫妻が日本語しか書いていないメニュー(写真はついていた)で迷っているところをレジ係りが丁寧に応対しているのをみて、「こういうのを大切にしないとねぇ」と妙にうれしく思う自分に気づきました。