目黒通りアンティーク家具街(その2)

とあるイメージの小さなテーブルを探しに先日再び「目黒通りアンティーク家具街」へ。
ありました。インドネシアにオーダーし製作されたものです。
どんな工場(工房?)でつくっているのか、ホームページに出しているのか尋ねると、「いくつもの業者と取引している。同業者もいるのでホームページにも書いていない」ようです。電子情報のやりとりではなく、スケッチなどを書いてインドネシアに持っていき、細かいところは向こうでやってもらっている様子。
ちなみに購入したテーブルは既に新デザインのものをオーダー済みで、もうすぐ東京港に運ばれてくるとのこと。前回の(その1)の店のアンティークはイギリスから毎月コンテナで運ばれてきていました。
さらに、この店では自分で考えた家具などがオーダーできるようです。こうなると、「個人輸入」の域を超えて、私が「個人ユーザー兼デザイナー(?)」、ショップが「取次店兼ミニプロデューサー 」、インドネシア現地法人が「メーカー 」。あちら側にも代理店、工場、職人さんなどが複雑にからんでいるかもしれません。 『MAKERS』流にいえば、こういう個人オーダーにもシステマティックに、ネットワーク的に、かつクイックに対応するシステムが次なる産業革命。いろいろな分野で少しずつそうしたネットワークができてきているのではないでしょうか。その現れとしての街並みや工房やショップやちょっとしたにぎわい。
なんとなく並んでいる目黒通りのアンティーク家具店は、このような広がりをもって都市イノベーションの一端を担っていたのでした。
ところで、「個人」を「大量消費者」、「ショップ」をたとえば「N社」、「インドネシア現地法人」を「インドネシアN社製造工場」と読み替えると大量生産低コスト型の、実際に伸びている現代日本のマーケットができあがります(インドネシア側からみるとメダン市に1500人の雇用源となる工場。最近ベトナムハノイ近郊にも2500人雇用の工場建設)。これから先、どのように消費-生産-物流構造は、その表れとしての都市は変化していくのでしょうか。
「より多くの人が、より多くの場所で、より多くの小さなニッチに注目し、より多くのイノベーションを起こす。そんな新製品は、集合として工業経済を根本から変える」(『MAKERS』p291)。