ドバイ開墾(8) : ドバイ/アブダビ大都市圏

これからしばらくの間、「ジュベル・アリ」という地名が情報発信されるはずです。現在のメトロの南の終点で、ドバイ万博2020の開催地もこの後背地。「ドバイ・サウス」という言い方や、「マクトゥーム国際空港」という固有名詞がより多く情報発信されるかもしれません。

けれどもここでは、さらに引いて、ドバイ/アブダビ大都市圏というビジョンを考えてみます。
UAEの首都アブダビとドバイ間の距離は160キロほど。ポイントの1つは、ジュベル・アリにドバイの2つめの国際空港がオープンし、機能を増強中。近い将来、新旧2つの空港が強力に結ばれて、2020万博に向けてドバイ/アブダビボーダーに大規模開発が進みそうなこと。ここからアブダビ都心は約100キロですが、アブダビ市街地もドバイ側に向かってかなり接近してきているので、この際、両都市を大都市圏ととらえた計画があってもおかしくありません。
発表されている「ドバイ2020」と「アブダビ2030」のマスタープランを地図としてくっつけると、それだけでも大都市圏計画風になります。ただし、両者のボーダー付近は互いに隣の影響が無いかのように書かれていて、特にジュベル・アリ周辺の万博や新国際空港の影響はアブダビに入るとまったく無くなるような計画です。ドバイ新国際空港によりアブダビ空港の客がかなり奪われるのではないかとの予測もあり、ここはもう両都市の強み・特長を合わせ補完し合う大都市圏になっていくのが自然のように思います。
砂漠都市のノウハウも学びあい、人類にとって有益な、世界中から人々が訪れる「21世紀の住みたい都市」。2030年の人口予測を足し合わせるとおよそ1000万人の大都市圏です。
マーサー社の調査(2015)では、ドバイが中東一住みやすい都市で(230都市中74番目)、アブダビがそのあとにすぐ続きます(77番目)。[以下、参考として、シンガポール26、東京44、横浜48、香港70、ソウル72、クアラルンプル84、上海101番目]