AFRICAN CITIES Alternative Visions of Urban Theory and Practice

9月にスタートした「都市イノベーション開墾」も、第24話です。
ドバイにはじまり中東・アラブ諸都市、ラテンアメリカをとりあげ、マンフォードの「Cities in History」に記述されていない非欧米視点を補おうと、うろうろ。GNHの国ブータンにも行ってきました。デトロイトの「内なる都市問題」は、ロンドンやパリなど先進諸都市の21世紀的テーマでもあります。もはや、「先進国」「途上国」「新興国」などの分類にもとづいて都市や都市計画のあり方を語れなくなっているように思います。1998年の自著『イギリスに学ぶ成熟社会のまちづくり』では、日本からイギリスをみる視点として「先進性」だけでなく「固有性」「同時代性」を設けました。まさに今、世界の都市や都市計画、都市イノベーションを考える際、こうした切り口が重要になっていると思います。
今回とりあげる本書も、アフリカ都市を対象にしつつ、それらを世界の都市(計画)の中に位置づけようとする、チャレンジングな内容。「Postcolonial cities」「(I)n(f)ormal cities」「Governing Africa’s cities」「Wounded cities」「Cosmopolitan cities」の5つがここでの切り口です。ルサカにはじまり、リロングウェアブジャドドマケープタウン、アクラ、ダルエスサラーム、ナイロビ、ザンジバール、ドゥアラ、モガディシュなどが主な分析対象。
GARTH MYERS著、ZED BOOKS、2011刊。アフリカの諸都市の現実を直視しつつもその中に見いだせる希望をていねいに掘り下げる著者の姿勢に共感します。