“攻めの廃線”

昨日のメディアで、JR夕張支線16.1キロメートルの廃止をJR北海道が夕張市に申し入れたと報道されました。実はこの話はさかのぼること10日、夕張市の鈴木市長が8月8日にJR北海道に対し廃止を提案したことを受けてのJR側の反応でした。朝日新聞記事によればこれは「支線廃止を認める代わりに地域振興への協力を求める異例の提案」で、廃止候補路線を抱える他の道内沿線自治体は「廃止ありきの先例になりかねない」と警戒感を募らせている(北海道新聞2016.8.9)とのこと。
「地域振興への協力」の内容としては、1)代替の公共交通ネットワーク構築への協力、2)JRが市内に所有する土地の無償譲渡、3)JR社員の市派遣など(北海道新聞2016.8.8)のようです。市側はJRからの申し入れを受けて「前例のない廃線になるが、地域公共交通のモデルをつくる出発点になったと言われるようJRと協力を進めたい」と述べています(2016.8.18朝日新聞)。

路線の維持が想像以上にたいへんなことは、老朽化した線路や電車の車体・設備、駅舎(⇒事例 写真)、生い茂る沿線の草木、一応やっていることにはなっているけれどもほとんど無いダイヤなどを見て最近痛感したばかりです。
f:id:tkmzoo:20191024153343j:plain
一方で、「都市イノベーション開墾」ならぬ「北海道開墾」は、たった140〜50年ほど前にスタートしたばかり。地域の盛衰の速さを感じざるを得ません。

[関連記事]
・北海道新幹線(都市イノベーション開墾 第58話)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160705/1467714618