世界の都市の進化と都市イノベーション[2023.3.17改訂]

このページは、以下の2つの頁の内容をストーリーとして統合して、世界の都市と都市計画の進化を物語るものです。
■「【in evolution】世界の都市と都市計画
■「【in evolution】日本の都市と都市計画
この頁には、物語の骨格(目次)のみ書き出しています。コンテンツは、それぞれの頁にリンクしていますので、詳しくはそれらをご覧ください。
2021年3月に、春風社から『都市科学事典』が出ました。領域1「歴史」の最初の節1-1「空間史」を担当し12項目の解説に仕上がった(1-1-1~1-1-12)ので参考にしてください。


序章 通史 
X.世界の都市の進化とイノベーション
・「都市はどのように進化してきたか」『事典1-1-1』
・基本的視点1(都市とは)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20180717/1531800888
・基本的視点2(GDPと人口の世界史)
https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2021/02/22/215047

以下、5章構成です。
世界のほうは「A」「B」「C」「D」「E」、日本のほうは「a」「b」「c」「d」「e」が対応する目次です。基本的には「世界」ABCDEが物語の骨格となっており、「日本」abcdeはその骨格の各所と関係しながら国内の物語が語られています。


第1章 古代都市文明と都市システム
地球上のどこに、どのように「都市」は発生したのか? 「都市」とはどのように定義できるのか? その際、その「都市」に都市計画的視点はあったのか?(「都市の発生」『事典1-1-2』)からスタートし、都市の進化がはじまります。
A 古代都市文明の生成と伝播
A-1 都市の起源
A-2 さまざまな都市文明の勃興
A-3 古代ギリシャ都市とローマ帝国
A-4 ポストローマ帝国の都市
A-5 古代末期の諸帝国とその影響

日本における都市の発生は相対的に新しいため、A-5の「影響」によって日本国内に都市が生まれ古代都市が確立した、との位置づけです。
a 古代都市の成立とイノベーション
a-1 古代都市の生成過程
a-2 古代都市計画の試行錯誤
a-3 古代都市計画の完成


第2章 中世都市
それぞれの地域の結節点がそれぞれの都市を形づくる分散的・創発的な中世の都市化をめぐるストーリーです。
B 中世都市の創発的進化
B-1 都市の創発的進化とはどのようなものか
B-2 ヴェネツィアの勃興から「創発」を深く探る
B-3 交易を通した中世都市の進化
B-4 世界の中心都市はどのように変遷したか

古代都市平安京は中国の強い影響で生まれましたが、その後、中世末期に城下町という日本独自の都市形態が出てくるまで、長い時間がかかりました。
b 中世都市はどうなっていたか 平安京から城下町まで
b-1 京都の変容と国土/地域構造の変容
b-2 武家の都づくりからはじまる新たな地域拠点形成への道
b-3 たちあらわれる地域経済と城下町への道
b-4 自由・交易都市の生成


第3章 近代の芽生えと世界の一体化
ルネサンスを境に近代的思考にもとづく都市への働きかけが強まり、1492年を境に世界の一体化が進みます。
C 近代の芽生えと世界の一体化の象徴としての都市
C-1 ヴェネツィアとローマに都市イノベーションを見る
C-2 ルネサンスから空間の科学的思考へ
C-3 近代世界都市システムの展開
C-4 都市・都市計画のオルタナティブ思考

日本は伝来した近代兵器を国内統一に活用しつつ、守護大名を中心とする「城下町」という独自の都市形態が確立します。江戸時代は「鎖国」の形をとり長崎を「開国」することで国内開発と都市システムの構築・熟成が進みます。
c 近世都市の成立とイノベーション
c-1 近世都市計画 城下町の生成と成熟
c-2 藩 近世の地域計画と地域経営
c-3 国土管理・国富増進の視点からみた近世


第4章 都市の近代化
大航海後の植民化であれ、帝国拡大による新拠点形成であれ、都市の側からみれば、都市計画する主体が誰か、どのような思潮や目的、技術等がかかわったかによって、都市の進化の方向や程度が左右されました。産業革命により新たな次元の都市が求められた時代です。近代都市計画思想によって、大規模な新都市やニュータウンが世界各地に建設されてゆきます。
D 都市の「近代化」:その多様性とレガシー
D-1 さまざまな「植民」形態と都市計画
D-2 近代化と都市イノベーション
D-3 「近代都市計画」の誕生
D-4 「理想都市」の実践をグローバルにみる

日本は「開国」を契機として「西洋化」の波に洗われるとともに、「閉じた」封建都市を「開く」近代都市計画が独自に展開されます。
d 近代都市化とイノベーション
d-1 開国 都市の「西洋化」の視点から
d-2 「近代都市」への脱皮
d-3 戦災復興 私たちは何を目指したか
d-4 高度成長 今、何をレガシーととらえるか


第5章 「近代都市計画」再読 (E/e共通)
近代化に陰りがみえはじめ、新しい都市像の模索がはじまります。




(以下は参考 : 「世界の都市と都市計画」のみこのあとが続きます。)
第6章 ネオリベラル都市
F.ベルリンの壁崩壊後の都市
そうしているうちに「ベルリンの壁崩壊後」の自由主義経済に翻弄される都市へ。ロシアやモンゴル、中国、ベトナムなど大きく体制転換した諸国だけでなく、インドもアラブ諸国も、ある意味日本も、国内法、とりわけ不動産関連法を変えて外資を導入。都市の風景が大きく変わりました。
第7章 都市と都市計画の未来
G.都市の未来
「未来都市」へ。これまでの都市のつくられ方を読み取りながら2100年くらいまで延ばしていくとどうなるか。「アジスアベバ開墾」は、一般に“最貧国”などと呼ばれるエチオピアのこの都市を「未来都市」的にとらえたもの。現在の問題解決ばかりでなく、固有のポテンシャルや未来の可能性に着目します。
都市の歴史を振り返れば、今私たちが暮らしている都市は、年輪のように各時代の都市が積み重なったものです(「都市はどのように進化してきたか」『事典1-1-1』)。それをどう評価し次の世代、次の世紀に伝えていくのか。