『プラットフォーム革命』(ロンドンイノベーション(8))

P.ホールが『Cities in Civilization』の最後のパート「Book Five」で見通すことが困難だった都市文明の将来。あまりに変化が激しく、人間が置かれた状況が大きく変貌しています。

標題の図書に入る前に、都市の新しい経験から。
ロンドンのロイヤルオペラハウスでつい先日上演されたバレエを日本で観れるというので、行ってきました。といってもこれは映画の話。20数ヵ国の1000館にも迫る映画館で、少しずつ期間は異なるものの、ロイヤルオペラハウスのオペラやバレエが上演されています。付随してオーケストラも。このシリーズでは1年を前半、後半に分け、観てきたのは後半6演目の1作目。3幕構成のため、ちゃんと幕間もあり、その間は、ロンドンコベントガーデンにあるこの劇場の内部の様子が固定カメラで映し出され、臨場感を演出します。
本ブログでは世界中に「住みたい都市」が増えて相互に自由に行き来できることをめざしていますが(Welcome Page参照)、もしこうしたバーチャル化が精度高く進むと、世界のどの都市においてもロイヤルオペラハウスを体験できるのかと思ったりしました。

さて、この『プラットフォーム革命』(英治出版、2018.2刊。読むきっかけとなったのは毎日新聞2018.4.15「今週の本棚」(松原隆一郎の評))。プラットフォームを介してプロデューサーと消費者を結びつけることで、ありとあらゆるニーズをビジネス化します。そのビジネスモデルを、かなり理論に近い領域にまで迫りつつ解説します。何か新しいことがわかるというより、読み手の関心によってその思考にヒントを与えるような整理がされている書、ととらえました。プラットフォームビジネスを成功させたい起業家、売れるアプリを模索する開発者、プラットフォームを構築し業務を新展開したい経営者、こうした経済現象を理論化したい経済学者、、、など、など。

さきほどのロイヤルオペラハウスビジネス、誰がプロデューサーなのでしょう。また、究極の世界展開はどこまで可能なのでしょう。
かくいう私。ロイヤルオペラハウスのリハーサルしか観たことがありません。最後はやはり「本物 」。季節も良し。またロンドンに行きたくなってきました。