「urban national parks or national park cities?」

本日手にした月刊誌Town & Country Planning(2018.7号)をペラペラめくっていると、意味ありげな標記タイトルが。「意味ありげ」というより、何かを感じる新しい概念。はずれかもしれないし、「当たり」かもしれない。
とりあえず感じた「何か」を記してみます。

事のはじまりは、2016年に新市長となったサディク・カーン氏の選挙公約。その中の「A greener, cleaner London」で氏は「National Park City」を打ち出しました。文脈までわかるように引用すると、
「Make London the first ‘National Park City’ – setting a long term target to make more than 50 per cent of our city green and ensure that all children have access to nature.」
市長となったカーン氏は、ロンドンが「the first National Park City」となることを政策化するとともに2017年夏にGreener City Fundを創設。2018年春にその額は1200万ポンド(1ポンド140円として16.8億円)となりました。
一方、この構想を推進する団体として2017年秋にはLondon National Park City Foundation (NPO団体。イギリスではチャリティー登録団体)が設立され、ホームページを立ち上げて(⇒関連情報)、2019年夏にロンドンが世界初の「National Park City」になるべく、普及推進活動を進めています。

自分で勝手に宣言するんだから「世界初」に決まってるでしょ、などと疑問に思われる方も多そうですし、私自身も初めて見た記事なので「何かを感じ」ただけの段階ですが、確かにロンドンには緑は多く、「なかなか物の見せ方がうまいな」と思うところです。また、Town & Country Planningの記事では、そもそも「国立公園」がアメリカでどうして起こってきたかとか、後発のイギリス(やヨーロッパ)の「国立公園」がどう違うかとか、「国立公園都市」とはどうあるもの(ありそうなもの、あるべきもの)か、「urban」と「city」のどちらの用語を用いた方がよいかなどという議論をしており、都市イノベーション的な可能性も感じます。

[関連情報]
http://www.nationalparkcity.london/the-2019-launch

[関連記事]
・『Green Cities of Europe』
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130618/1371522699