レファレンダム不通過事例の2件目です。(近隣計画をめぐる新トピック(7))

本日届いたPlanning誌2018.9.14号のp32に、近隣計画の最終手続きであるレファレンダムで42.0%の支持しか得られず、過半数に達しないため計画不成立となった事例が報告されています。
イングランド北東部のハル市のタウンセンターにほど近いインナーシティーにある団地が対象エリアのThornton。もともとインナーシティーでの事例はほとんどないといってよいくらい少なく、近隣計画という形を使うメリットがなかなか感じられないのでしょう。投票率も18%ときわめて低調なので、仮に「42%」が「50%」だったとしても、本当に民意を反映したものとは言い難く、苦しい状況は変わらなかったかもしれません。協議不足が原因だったなどの評価がされているようです。
こうしたエリアでは必ずしも近隣計画だけにこだわらずに他の道を選んだ例もあるので(関連記事1)、原因を把握し、どのような都市計画技術と合意形成によればよいのか考える必要があるのかもしれません。

もう1つ。このPlanningの記事で興味を引くのは、その支持率「50%」代のところが他にもあるのが表になっているところです。下からみると、
Swavwick 14.6% 2016.10 いろいろあり取下げたかったが投票へ。関連記事2へ。
Thornton 42.0% 2018.9 本記事。
Olney 50.6% 2016.7
Overton 52.9% 2016.6
Lichfield City 57.0% 2018.2
Spratton 57.7% 2016.7
Sherborne St John 58.4% 2017.5
Buckland Newton 59.5% 2017.11
Stogumber 59.6% 2017.10

[関連記事]
1.居住者が多様なため近隣フォーラムが設立できない場合の代替策 (近隣計画をめぐる新トピック(5))
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20171130/1512024965
2.初のレファレンダム不通過事例が出ました(近隣計画をめぐる新トピック(1))
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20161125/1480071964