宿泊税物語

2018年10月1日より、京都市が(日本としては)新しいタイプの宿泊税を課税することになりました。実は私も最近、とられてきたばかりです。2019年4月1日からは金沢市でも類似の宿泊税が課税されます。類似でないものは、これまで東京都や大阪府が課していたもので、1万円未満の宿泊は非課税などとする形です。大阪ではもっととろうと最近7千円未満に引き下げようとしているようですが。倶知安町では定額でなく定率の課税が検討されているようです。福岡市は福岡県とどちらが徴収するかで議論の最中のようです。
徴収予定額ですが、京都市は年間フル稼働する2019年度を45億円と見込んでいます。熱海市でも検討中ですが、簡単な試算によると一般観光予算4億6千万円に対して1泊200円で300万人に課税すると6億円と、かなりおいしい話。けれども当然そういう話には、観光政策やビジョンもちゃんとしてないのにそんなのないでしょ、などの批判が。

たとえばヨーロッパでも、この宿泊税は各国の首都などを除くと新しい動向にあるようです。イタリアでも2010年代に急速に広まったようで、ホテルのランク等によって1泊1ユーロから数ユーロ(高級ホテルはもっと高額)徴収されます。ローマで2011年1月1日に条例が施行された(年間100億円の徴税を見込む)際の話題が的を得ていそうなので(岡田直子さんの当時のブログ。全国紙La Repubblicaからの引用による)、少し紹介(引用)させていただきます。(激しいのはやめにして、、、)
批判的なものとしては、
・自分たちの財政難を、観光客へ物乞いしてまかなうのか?ローマ市の経営能力欠如を、観光客にカバーさせるのか?
・ローマはイタリアの首都である。つまりこの国の貧困の度合いを表している。
・滞在税を導入する前に、パリと同じクオリティのサービスを提供すべき。ローマではバスを45分待つのはザラ、道は汚く、メンテナンスもされていない。
賛成派の意見も、
・ツーリストのセレクションに繋がるので、良いことだ。つまり富裕層のツーリストが増え、質の良くないツーリストは来なくなるだろう。
などと、結構重要な論点も含んでいて、他人事とも言っていられません。