浪江町まち中再生への動き

20か月前には何もなく寂しかった浪江駅前に、カフェが1軒できました。

カフェ「もんぺるん」。中の様子がよく見えるそのカフェに入り「浪江やきそば」(500円)を食べていると、ゆったりした店内からガラス越しに駅前の様子が、まちの様子が手に取るようによくわかります。店をはじめたのは浪江町にもどってきたMさん。店の名前からも、店のつくりからも、浪江やきそばからも、復興への思いが伝わってきます。

 

その静けさに「2020年を想像することはかなり困難」とした2018年春(⇒記事1)。そのまち中が動き出していました。土地利用の動態を感覚的な数量で表現します。

(使えなくなった)建物の解体が急速に進み、空地の割合が50%。うち20か月前にも空地だった場所がこのうち半分だったとして、残りの半分が最近建物が解体された跡地。残り50%の内訳は、「平成31年度 解体家屋番号」の掲示があり解体待ちのものが10%、再建されたり新築されたものが10%、もともとあった建物が利用開始されたものが10%、もともとあった建物がそのままのものが20%。

再生のスピードは速くはありませんが、その「芽」を感じるのは、「再建されたり新築されたもの」「もともとあった建物が利用開始されたもの」。「解体されたもの」のうち整地され再建の準備が整ってきているものもみられます。「再建されたり新築されたもの」の中には国道6号の角地に建ったイオンも含まれていています。

解体される(された)建物がきわめて多いことが、住めなかった期間の痛手の深さを物語ります。特に壊される側のスピードが速いので、どのように再生されるのかとの不安も感じます。

それでも20か月前はほとんど人に会わなかったまち中で、人に会ったり人の気配を感じるようになりました。解体作業員やその宿舎などの仮需要分は少し差し引かなければなりませんが、2020年を目の前にして、「静」が「動」に変化していることを感じます。

 

[記事1]

https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/20180325/1521973111

 

 [参考]
【統合ファイル】東日本大震災復興

https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/20120305/1330943180