「沈みゆく首都」

沈みゆく首都?

BBCの再放送のこのタイトルを見たとき、ヴェネチア?(首都じゃないなぁ、、)、モルディブ?(ここは国ごと沈みゆく問題、、(⇒関連記事))、じゃあ、どこ?

 

番組がはじまり、写しだされたのはジャカルタでした。世界一沈下スピードが早い都市との解説です。

主に地下水の汲み上げにより土地が沈下。堤防をかさ上げしてもその上から海水が入ってくる。またかさ上げしてもまた入ってくる。堤外(つまり海中)に半分沈んだモスクが写し出されます。このままいくと2050年までに、、、

 

ここまでであれば「災害に備える」的なテーマですが、「混雑などの都市問題も同時に解決するべく、カリマンタン(ボルネオ)島に首都移転することにした」というのが「都市イノベーション・next」的課題。発表自体は昨年の夏のことです。

森林伐採が進むこの島の22万ヘクタールを開発して新首都をつくるのだと。憂える島民もいれば歓迎する島民も。(自然と共生する)「森の中の都市」をめざしているのだとする政府側。

番組では、「そんなことを本気でやるの?」という懐疑、「新しい首都をつくるのではなく、今の都市を良くしてほしい」という不満、「島の環境が破壊される」という反対意見、「主エネルギー源とされるパームオイルは再生エネルギーじゃないでしょ」という批判などが紹介されていきます。

 

政府の計画では政治・行政機能は移転するが経済機能はそのまま。ということは、(これだけ離れた移転は)ブラジリアやキャンベラ型か。巨大都市問題の解決という意味ではカイロ型ともいえそうです。しかし「森の中の都市」とのコンセプトは「都市イノベーション・next」的。

 

もう一度主題に戻すと、ということは、水没問題はどうなるのか?BBCの番組ではそこまでフォローされていませんでしたが、新たなコンセプトで新首都をつくって国土バランスをとりつつ、既存都市をスリム化させて交通問題や地盤沈下問題も緩和または解決。とのストーリーにどれだけ迫れるか。

とてもチャレンジングなテーマです。


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(映画)「南の島の大統領 沈みゆくモルディブ」