カオスに立ち向かうために : 『レジリエンス あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か』再読

2020年3月31日朝。

やられっぱなしではなく、「撲滅してやる」のような一本調子でもなく、具体的かつ現実的な方法はないだろうか。過去にすがるだけでなく、未来志向で希望のもてる、自分たちの力を最大限活かせるような道筋。

昨日、遠隔ゼミや遠隔授業などもできるようにならなければ行き詰まりそうだとの自覚のもとに、慣れない自分を叱咤激励して対応を試行錯誤しはじめました。

 

まだ2019年度最後の朝に思い出したのが本書、『レジリエンス  あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か』です。リーマンショックのあとに出た図書で、本ブログでも取り上げ要点がすぐにつかめるのでまずはご参照ください(⇒関連記事)。

この記事の後半では各論の方に関心が向かっていますが、今、手にとってみると、「序章」にまとめられた「レジリエンス」そのものの考察が、今の状況を切り抜けようともがく私たちに力を与えます。

 

ここでは、序章の構成の概要のみ。

タイトルは、「レジリエンスとは何か」。

第一パート。「現代では災害や大混乱を避けるのは難しい」「ではどうすればよいのか」ときて、「レジリエンスを定義する」。

第二パートは「レジリエンスの必要条件」。2つの要素「フィードバック-危険な変化を察知して対応する」「資源とプロセスの脱集中化」について整理。そのあと類似概念(頑強性・冗長性・元の状態への回復)との差違を整理。1つ1つが思考を鍛えます。

第三パートは「個人と集団のレジリエンス」。内容は、「レジリエンス思考の効能」「レジリエンスでは全体論的アプローチが重要-ただし無駄も多い」「システムの循環とネットワーク」。1つ1つが重いです。

第四パートが「サステナビリティの落日」。万能すぎる「サステナビリティ」だけでは現代の課題に対処できないことが議論されます。

 

明日から2020年度。

本書の「序章」の内容は「都市イノベーション・next」そのものの根幹的議論。本ブログの「都市イノベーション」も今回で通算444話となり、500話の最終回にだんだん近づいてきました。

レジリエント思考で、今日も試行錯誤したいと思います!


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