「日常」の変化と都市の土地利用の大転換?

昨日、A社に注文しておいたホワイトボードが届いたのでテレビ会議(zoomなど)用に設置すると、ほぼ、「ホームオフィス」が完成しました。午前の博士課程ゼミにもフル活用でき、リアル会議にかなり近づいてきました。この40日間で本当のオフィスには1度しか行っておらず、今後の40日間もそれくらいかもしれない。デパートや家具店は無くても、すべてネット注文。本屋も要らず(既にほとんど行かなくなっていた)、「日常」がまったく違ってしまっている。こんな状態がずっと続くと都市はどうなるか。

 

昨日の日経「企業」面に出ていた「テレワーク 行き場提供」との見出しの記事にも刺激されつつ、「都市イノベーション・next」的に「未来」を少し考えてみます。

 

この記事によると、テレワークをすることになったが家には居場所がなく(ここで新規マンションやリノベーションで住居をホームオフィス化する動き)、一方でホテルやカラオケ店が部屋をアレンジして貸し出している。(ここではあえて大げさ目にいうと)このところ建てれば埋まっていたホテルの需要は今後も落ち込み、余った資金をどのような不動産開発・管理運営に回すかが問われる。ある調査では、4月10~12日時点で正社員のテレワーク実施率は東京都内に限ると49.1%だった。また、「新型コロナ禍が収束した後もテレワークを続けたい」という人が53.2%いた。

仮に本当にそうなったとすると、オフィスは半分いらなくなり、逆に、「家」に付随した「オフィス機能」がその分だけ必要になる。今は「行き場をなくした人が増えている」(当記事)が、そうしたニーズが大規模に発生し、「「家」に付随した「オフィス機能」」を反映して、「家」そのもののつくりが大きく変わり、「集合住宅」という概念・建て方自体が多様化する。さらにそれは「家」関連にとどまらず、当面は「ホテルやカラオケ店が部屋をアレンジして貸し出して」いたビジネスそのものが大量かつ多様に新しい都市機能・土地利用として出現する。一方で既に(従来型の)「書店」というものも形骸化しており、デパートも(既に専門店へのフロア貸し不動産業化しているが)さらに大きく転換。

これだけ土地利用が変わると、土地利用に付随して生み出されるモビリティもまったく変わるし都市そのものが変わる。

もう1つ重要なこと。「オフィスは半分いらなくなり」だったら、「オフィスワーカー」も半分なくなり、東京に住んでわざわざ長距離通勤する必要もなくなる。首都圏あたりでもっと自然に囲まれて生活してもよいし、子どもの広い意味での教育なども考えて地方などに移住してもよい。仕事はテレワークで継続でき、たま~に東京に行くこともあるかもしれないけれど、あくまで本拠は地方。

 

「ホテル 平日格安プラン」「カラオケ店 2480円で30日間」と書かれたその記事や、「日常」の変化について少しばかり考えた本記事は、5年後、10年後にどう見えることになるでしょうか。