平城宮跡を横切る近鉄の移設が合意されました (奈良と都市イノベーション)

秋学期の「都市と都市計画」で毎年、この話題を取り上げ、「発掘・復元の進む平城京のために近鉄は移設すべきか?その理由は?移設する場合、どのような方法がよいか?」などと問うてきました。これまでにさまざまな反応がありましたが、大きくまとめると、1)その風景に馴染んできたからそのままでよい(これは地元近辺出身者からの意見)、2)土地もないと思うので地下化する、3)やはり史跡(平城京跡は特別史跡)は避けて迂回させる、の3案です。

 

日本の都市計画史の観点からも重要なこの課題について、10日ほど前にどうやら近鉄、奈良県、奈良市の間で3)番で合意されたようです。大和西大寺駅付近の「開かずの踏切問題」の解決が決め手だったようで、線路を高架化しながら幹線道路に沿うようにグイッと南に迂回させる案です。まだ具体的事業内容や事業負担を誰がするかなどは決まっていません。いろいろな事業がからみ、費用もかなり必要なため、時間もかなりかかりそうです。

 

古代都市再生のために近代が道を譲る大事業。そのプロセスも含めて最後まで見届けたいものです。