「芝浦水再生センター地区」ビジョンをめぐって (品川フィールド12)

リニアを降りると駅の東西には“21世紀の広大な都市型緑地空間”が、、、

昨日の「品川駅西口地区まちづくり指針」では、「連携の乏しかった土地利用」「周辺との連携が脆弱な歩行者ネットワーク」「視認性・アクセス性の低い中央緑地・公園」「整備未完了で課題のある交通基盤」といった現在の課題(本編p10-11)を解決しながら、“21世紀の広大な都市型緑地空間”(←これは私の表現)を紡ぎ出す方向が描かれています。

一方、リニアを降りて東口に出ると、もう1つの“21世紀の広大な都市型緑地空間”が、現在の「品川シーズンテラス」(⇒関連記事)を拡張する形で出現する。「出現」といっても、この土地は千代田・中央・港・新宿・渋谷区の大部分と文京・目黒・世田谷・豊島区の一部地域で発生した汚水を再生する「芝浦水再生センター」の上空を活用しつつ地区全体の空間を再編して創り出される“21世紀の広大な都市型緑地空間”です。

これら品川駅の東西に創り出そうとしている両空間の規模は、おおざっぱにみて、日比谷公園(約20ha)が東西に1つずつできるほどの規模です。まるまる公園というわけではなくあくまで「都市型緑地空間」と表現しますが、それでも、まだ計画の半分弱でしかない「品川シーズンテラス」のひろびろとした雰囲気から、「リニアを降りると駅の東西には“21世紀の広大な都市型緑地空間”」を想像するのもよいかもしれません。

 

この「芝浦水再生センター地区」再生事業を、「品川フィールド」の10番目の事業に加えます。現時点での将来イメージは『品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020』(⇒資料)のp62-67が公式のものですが、同時に、ここで再生される「水」にも注目したいと思います。「千代田・中央・港・新宿・渋谷区の大部分と文京・目黒・世田谷・豊島区の一部地域で発生した汚水」の再生という気の遠くなるような事業を毎日行いつつ、さらにできればその結果が周囲の運河や東京港の水質向上に結びついてほしい。そして“21世紀の広大な都市型緑地空間”そのものが単に「デザイン」されたものではなく、大都市東京に住まう人間の環境とのかかわりの新しい姿を表現するものでありたい、と思うところです。

 

[資料] 『品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020』

https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/seisaku/guideline2020/index.html

 

[関連記事]

・品川シーズンテラス

https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/20150530/1432989019

 

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