新法案(⇒昨日記事)の内容が明らかになった翌日の5月12日に、都市計画システムの将来につき政府の考えを説明した「Future of the planning system in England: government response to the Select Committee report」がホームページにアップされました(⇒関連資料1)。
既に新法案(The Bill)の審議がはじまった時点で、政府がイギリス都市計画システムをどうしようとしているのかを解説した重要な資料のためその意味を整理してみます。「意味と内容」としたいところですがここでは「意味」にとどめ「内容」へのアクセスができるようにします。
タイトルにもあるように、この資料は「the Select Committee report」に応答しつつ今回の法案(The Bill)へのつながりを説明したものです。「the Select Committee report」とは2020年8月の政府白書「Planning for the Future」について調査審議するため国会(ここでは下院)に設置された特別委員会で、レポートには勧告も含まれます(⇒関連資料2)。表紙には「2021-22セッションの第一レポート」と記され2021年5月27日発行とされます。単なる審議というより「調査」の部分が重要で、このレポートを見るだけでイギリス都市計画をめぐる昨今の諸文献・資料等にアクセスできる参考書にもなります。
大まかな流れに絞ると、
政府白書(2020.8)は大胆だが粗い⇒国会特別委員会で精査し勧告(2021.5.27)⇒今回の政府説明(法案との関係含む)
となり、新法案(The Bill)の審議がはじまるとともに国会特別委員会も継続しています。また、今回の法案に盛り込まれた要素もありますが、根本のところでは「新都市計画法」を用意しなければおさまらないような大きな要素が残されており、なお検討事項が山積する一方、法律の形ではなくシステム構築(たとえばデジタル化推進など)や財政支援等のさまざまな「都市計画の未来」対応があるため、そういう意味においても、法案審議と並行して国会特別委員会で何がどのように、どの程度議論されどのようなエビデンスが集まっているのかが注目されるところです。
[関連資料]
1.政府説明「The future of the planning system in England」
2.国会特別委員会レポート
https://committees.parliament.uk/publications/6180/documents/80920/default/
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