チェルシーがバターシー発電所をサッカースタジアムに?

ロンドンの景観を特徴づけるあの4本の煙突。このバターシー発電所をめぐっては過去に幾度も計画案が発表され、その都度何らかの問題が発生して再利用がなされることなく今日に至っています。あるときは建物保存をめぐる問題、あるときは事業予定デベロッパーの資金不足、あるときは過大な開発計画に対する批判等です。
Planning2012.5.18号(p.14)によると、6万席のスタジアムをデベロッパーと組んでつくろうと、15ヘクタールの土地を買収しようとしているとのこと。また、それにからめて懸案だった地下鉄ノーザンラインの延伸にも貢献する意欲をみせているとのことです。
この記事が出た5月18日の翌日に、チェルシーはヨーロッパチャンピョンリーグで初優勝しています。もしかすると、煙突を見上げながらサッカー観戦する日がやってくるかもしれません。

[7/9追記:Planning2012.6.15号によると、入札の結果チェルシーはマレーシアの企業コンソーシアムに敗れたとのこと。このコンソーシアムは世界一のパームオイル生産企業とマレーシア最大のデベロッパーの2社によるもののようです。チェルシーを所有するアブラモビッチ氏はロシアの石油王。とりあえずはロシアのオイルマネーがマレーシアのパームオイルマネーに負けた形。最新の別の情報によると、7月に入って協定も締結されて、事業が動き出しそうです。計画によれば煙突は保存され、住宅と商業用の不動産開発を行うとのこと。しかし、まだまだわかりません。過去に何度も「計画」はつくられ、その都度断念されてきたのですから。]

[2013.5.30追記:しばらくぶりに「その後」を見てみると、なんと、上記コンソーシアムによる開発は既に進んでいて、2013.1には第一期のマンション販売もスタートしていました。バターシー発電所は高層マンションに囲まれた形で、、、(下記URLが開発事業者HP。)
http://www.batterseapowerstation.co.uk/]

[2017.4.10追記:かなり時間が経過しましたが、2017.3.27にこの近くを電車で通過した際、煙突の据え付け工事をしている場面を目撃しました。この煙突はロンドンのイコンともいえる存在で、デベロッパーの方でもホームページに「The icon」という欄を設けてていねいに扱っています。そこをクリックすると、「Chimney Story」というページがさらに詳しくでていて、以下の事業計画が掲載されていました。
https://www.batterseapowerstation.co.uk/#!/go/view/app/chimney?view=updates]