地域が連携し「住みたい都市」をプロデュースする

「都市イノベーション・next」(全100話)スタート

イギリス都市計画定点観測

「美の委員会」中間レポートが話題になっています

最近届いた雑誌Planning2019.7.19号をペラペラめくっていると、最初の大きな記事の見出しの「beauty commission’s」という文字が目に留まりました。都市計画の雑誌に「beauty」という文字を見るのも新鮮な(かなり久しぶりな)感じがあるのと、さらにその「bea…

3つの近隣計画で同時に全市をカバーしたTORBAY

本日昼に手にした雑誌『Planning』2019.5.24号をペラペラめくっていると、最終ページ(p32)に「Torbay adopts total plan coverage」の文字が。「Torbayってどこ?」と読み進めると、「Torquay」を含む3つの近隣計画が同時に、この5月2日にレファレンダムを通…

ロンドンにおける近隣計画の最新動向(7):Ham and Petersham近隣計画(2018-2033)

「リッチモンド区の都市計画の中での近隣計画の文脈も含めて興味が湧くところです」とした、当区最初の近隣計画です。今、「当区最初の」としましたが、見たところ、後に続くものはありません。なぜHam and Petershamは近隣計画を策定したのか、なぜ他の近隣…

ロンドンにおける近隣計画の最新動向(6):Knightsbridge近隣計画(2018-2037)

最も注目している第10号から。 注目点を先にあげると、第一に、ほぼ区全体にわたり近隣計画の策定に取り組んでいるWestminster区の第1号という観点から、他の取り組みの現状をフォローします。第二に、計画の質の観点から、本計画の質がどのように成り立って…

ロンドンにおける近隣計画の最新動向(5):第8〜11号の話

2017年10月にロンドンで7番目の近隣計画がレファレンダムを通過しました(⇒関連記事)。その後少し間が空きましたが、2018年5月から10月にかけ、4つの近隣計画がレファレンダムを通過したと、Planning2018.11.9号に紹介されています(p32)。それらは、第8号 201…

新NPPF(2018.7改定)について

「近隣−市町村−広域−サブリージョン−リージョン−国−超国家の間の、どこが何を決めるべきかというシステム調整・システム分担の方向を決める」ために、いろいろな動きが続いています。都市計画システムの基本政策に限ると、NPPF(National Planning Policy Fra…

近隣計画に関するパーカー教授の特別講演会が開催されます(12月6日)

イギリスで2011年に法制化された近隣計画制度。その実証研究の第一人者として知られるレディング大学のパーカー教授の特別講演会が開催されることになりました。 12月6日の18時30分から。場所は日本都市計画学会です。 http://www.cpij.or.jp/com/iac/lectur…

3例目の「Neighbourhood Development Order」が出ました

「近隣計画」のほとんどの事例は「Neighbourhood Development Plan」という計画書タイプのものですが、もうひとつの方法として「Neighbourhood Development Order」という、許容される開発を直接示す方法があります。 Planning2018.10.26号(p26-27)にその「N…

Local PlanとNeighbourhood Plan (都市マスと近隣計画)

近隣計画をいかに策定するかが中心テーマだったローカリズム法施行後の5年間のあと、都市計画システム全体のなかでの近隣計画のあり方を考える段階にさしかかってきました。 Town & Country Planning 2018年9月号(p344-349)に、地方自治体の都市計画部局が近…

レファレンダム不通過事例の2件目です。(近隣計画をめぐる新トピック(7))

本日届いたPlanning誌2018.9.14号のp32に、近隣計画の最終手続きであるレファレンダムで42.0%の支持しか得られず、過半数に達しないため計画不成立となった事例が報告されています。 イングランド北東部のハル市のタウンセンターにほど近いインナーシティー…

自治体が自ら会社を設立しデベロッパーとなる団地再生をめぐる是非(Homes for Lambethの話)

民間事業者依存のアフォーダブル住宅供給では不安定なため、この際、自治体自らが会社を設立して団地再生をしようと設立されたのがHomes for Lambeth(council-owned SPVと呼ばれる。SPV=Special Purpose Vehicle)。自治体が100%出資する会社で、2015年にロン…

地域版ニュータウン開発のための規則とガイダンスが発効

近年イギリスでは旺盛な住宅需要に宅地供給が追いつかず、国では地方自治体に対して多くの宅地を計画的に割り当てるようにとの強い指導をしたりその方向に誘導できる法制の整備等を行っています。 地域版ニュータウン開発(‘locally-led’New Town Development…

「urban national parks or national park cities?」

本日手にした月刊誌Town & Country Planning(2018.7号)をペラペラめくっていると、意味ありげな標記タイトルが。「意味ありげ」というより、何かを感じる新しい概念。はずれかもしれないし、「当たり」かもしれない。 とりあえず感じた「何か」を記してみま…

BEYOND STUDENTIFICATION

何これ? 昨日届いたPlanning誌(2018.7.6号)をペラペラめくっていると、標記の大きなタイトルが。単に人目を引こうとするタイトルかもしれないと用心しつつ読んでみると、それなりにイギリスらしいおもしろい記事なので、エッセンスを書いてみます。 きっかけ…

新NPPF案 : イングランドの次期都市計画システムをめぐる議論

2018年5月10日をもって、新NPPF案(National Planning Policy Framework案。イングランドのみ対象。2012年に設定以来の大幅改定。)の協議期間が終わりました。次期都市計画システムをさらに変えようとするこの提案にはいろいろな要素を含みますが、ここでは、…

イギリスで電話ボックスの設置申請をめぐる不服申立て審査が激増しているヘンな話

今届いたPlanning2018.5.4号をペラペラめくっていると、「phone kiosk」という大きな文字と2017/18年度に激増している様子を示す棒グラフが目に留まりました。 イギリスでは計画許可判断に不服申立てをすることができ、最終的には国の機関である計画審査庁が…

新しい都市計画システムの構築に向けて(1)

「新しい都市計画システムの研究」として行ってきた「近隣レベルの都市計画を統合する新たな都市計画システムの研究」がまとまりました。 今回は、近隣レベルの「まちづくりプラン」「まちづくりルール」「エリアマネジメント」などの成果を、どのようにした…

『THE VILLAGE NEWS』 (ロンドンイノベーション(6))

TIM FORT著、SIMON & SHUSTER刊、2017。 都市に暮らすことで失ってしまう田園の豊かな環境。都市が拡大することで失われる田園の風景、、、。 しかし待てよ。そのような認識や嘆きは本当なのか? と疑い、自転車に乗ってさまざまなビレッジを回り、しぶとく…

新しいロンドンプランの案が公表されました

2016年5月にロンドンの新市長となったサディク・カーン氏のもとで改定中のロンドンプランの案が11月29日に公表され、12月1日より協議に入りました(2018年3月2日まで)。 https://www.london.gov.uk/what-we-do/planning/london-plan/new-london-plan/draft-ne…

メイフェア近隣計画がまもなく地元区に提出されます(ロンドンにおける近隣計画の最新動向(4))

「メイフェア」といえばロンドンを代表する都心部の高質エリア。 以前より、このようなエリアでどのように、どのような近隣計画を策定するのかに注目してきました。ここにきて計画素案の協議も終わり、いよいよ計画書の提出の段階にさしかかっているので、こ…

策定した近隣計画を維持するためのフォーラムの重大な役割 (近隣計画をめぐる新トピック(6))

近隣フォーラムは指定されてから5年間で指定が失効するとなっていることから、これまで、「その後はどうなるのか?」ということばかり気になっていました。しかし実際には、近隣計画は常に最新の状態にしておかなければならないので、近隣計画そのものをどの…

居住者が多様なため近隣フォーラムが設立できない場合の代替策 (近隣計画をめぐる新トピック(5))

2017.8.22の記事『Localism and neighbourhood planning』の論点の2番目であげた、居住者が多様で複雑なため近隣計画の策定主体「近隣フォーラム」を立ち上げられないケースについて、ロンドンハックニー区のケースがこの本で紹介されているので書き留めてお…

「隣町に市街地拡張する」提案をわざわざする訳

さきほど手にしたPlanning2017.10.20号の巻頭言に、「いくらかの自治体では隣の芝生に(わざわざ)タンクを置くことにメリットがあるかもしれない」との短文が書かれていました。日本の都市計画。「コンパクトシティ」という政策にも促されて(実際には経済活動…

ロンドンイノベーション(5) : 地域企業を支えるワークスペース供給者の実像

昨日の記事『The Future of Planning』で紹介されていた「Delivering affordable workspace: Perspective of developers and workspace provides in London」(PROGRESS IN PLANNING 93号(2014))という文献によって、ロンドンイノベーション(2) 「オリンピッ…

申請エリアの過半が除外されたため2つの近隣計画策定エリアになってしまった困った問題(近隣計画をめぐる新トピック(4))

やや「珍現象」的にもみえる課題が話題になっています。とはいえ、ある意味「近隣計画」の本質にもかかわる内容を含んでいるので、その視点からとりあげます。 ロンドン西にあるOld Oakは、工場用地や鉄道敷地や住宅が混じるエリアのため、「Old Oak and Par…

近隣計画に関連するコール・インその後(近隣計画をめぐる新トピック(2)の2)

先週届いたTown & Country Planningの9月号(2017.9)に、「should development benefits outweigh neighbourhood plans?」と題するD. Lock氏の論説が掲載されています。 かなり専門的というかイギリス民主主義的な内容ですが、都市計画の「プラン」特に近隣計…

英国初の本格的シェア・アパートをめぐる話題

本日届いたPlanning2017.9.8号に、「The Collective Old Oak」(資料1=HP)という名の、英国初の本格的大型シェア・アパートの記事が掲載されています。日本でもかなり出てきているのであまり珍しくはないのですが、「イギリス都市計画的観点から何が書いてあ…

CILの話(その5):集めた資金を地域で使うためのさまざまな工夫

先週末、「ヨコハマ市民まち普請事業」活動懇談会があり、とある役割をいただいて参加してきました。評価の高いヨコハマ独自のこの仕組み。昨年度までの実績でみると、このところ毎年3事業に各500万円が配分されています(計1500万円)。地域で独自に事業を企…

CILの話(その4):集めた資金を使っていないそれぞれの事情

開発の用途と広さに合わせて賦課金(levy)を徴収するCIL(Community Infrastructure Levy)制度がどうもうまくいっていないのではないかと、国も対応に乗り出そうとしている様子を伝えたのが(その3)。 本日手にしたPlanning誌2017.8.18号の冒頭および20-21頁に…

『Localism and neighbourhood planning』

Sue Brownill and Quintin Bradley編著、Policy Press2017刊。 近隣計画の5年間の運用も踏まえて、都市計画の世界に「近隣計画」という分野を持ち込んだ意味と意義、効果について広く論じた重要な書。副題に「Power to the people?」と慎重に「?」が付されて…