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横浜で都市計画学会全国大会開催(11月8,9,10日)

Localism and Planning (イギリス最新都市計画統合ファイル)【2019.10.15更新】

『Localism and Planning』(Bloomabury Professional, 2012刊)では、施行がはじまったLocalism Actによる新しいイギリス都市計画について、法律家の立場から詳しく解説しています。あまりにかっちり書かれているため「読む」というより「参照」程度にとどまっていたのですが、本ブログでこの課題を2年半ほどウォッチしてきた結果、運用実態の方が先に理解できてきました。この機会に統合ファイルの形でLocalismと都市計画についてまとめてみようと思い立ちました。
『Localism and Planning』をベースにして、保守連立政権による新しい都市計画の特徴を以下の5つの面からとらえられるよう統合ファイルを組み立てます。1)Localismの概念と意図、2)都市計画の基本方針NPPF、3)地方自治体の強化、4)コミュニティの権利と近隣計画、5)広域計画の廃止と成長政策です。中央集権化した大きな政府による都市計画を解体して(1)、2)、5))、地方自治体が基本的に何でも自由にできるようにする(3))とともにさらに近隣への分権にまで踏み込んで(4))、最終的には個人の意志や力が活かせる「Big Society」をつくろうとする改革です。

□立法過程は以下の国会資料にて
1)House of Commons Library Research Paper 11/02
http://www.parliament.uk/briefing-papers/RP11-02/localism-bill-local-government-and-community-empowerment-bill-no-126-of-201011
2)House of Commons Library Research Paper 11/03
http://www.parliament.uk/briefing-papers/RP11-03/localism-bill-planning-and-housing
3)House of Commons Library Research Paper 11/32
http://www.parliament.uk/briefing-papers/RP11-32/localism-bill-committee-stage-report

以下、本ブログ記事との関係を一覧にしていきます。

■Localismの概念と意図
□推進者の意図
中央集権化した大きな政府による都市計画を解体して、地方自治体が基本的に何でも自由にできるようにするとともに、さらに近隣への分権にまで踏み込んで、最終的には個人の意志や力が活かせる「Big Society」をつくろうとする改革です。
□(批判的・批評的)評価
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20110811/1313039970 (2011.8.11記事)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20131114/1384426667 (2013.11.14記事)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20140121/1390275199 (2014.1.21記事) 
□(運用後の)政策評価
 https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2019/10/15/153440


■都市計画の基本方針NPPF
□NPPFの施行(PPS・PPGを廃止して政府の方針を大幅に簡素化)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20111116/1321432262 (2011.11.16記事)
□テイラーレビュー(政府方針の簡素化とwebサービスによる即時性向上を勧告)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130617/1371449757 (2013.6.17記事)

■地方自治体の強化
□地方自治体全般
 ☆general power of competence
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150120/1421710377
□大都市(ロンドン以外)
 ☆Combined AuthorityのMayor
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150127/1422332165 (2014.1.23記事)
□ロンドン
 ☆権限強化
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20140123/1390466713 (2014.1.23記事)
 ☆Mayoral Development Corporation
  最初の事例 LLDC(London Legacy Development Corporation) 
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20120726/1343294472 (2012.7.26記事)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20140123/1390465242 (2014.1.23記事)
 ☆ロンドンプラン
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20111003/1317642751 (2011.10.3記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20140319/1395227958 (2014.3.19記事)

■コミュニティの権利と近隣計画
□ACV(Asset of Community Value) 
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20131118/1384770802 (2013.11.18記事)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20140121/1390270621 (2014.1.21記事)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20140603/1401771016 (2014.6.3記事)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170411/1491906074 (2017.4.11記事)
□近隣計画
 ☆施行 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20120529/1338267997 (2012.5.29記事)
 ☆施行後5年間の成果と評価
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170822/1503400788 (2017.8.22記事)
 ☆全体の動向
  リアルタイムの全リスト
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20151117/1447734309 (2015.11.17記事)
  2016.11.28時点の全数リスト詳細は以下で。ただし「正確性には欠ける」とある。
   http://mycommunity.org.uk/resources/key-neighbourhood-planning-data/
   [全1933件(レファレンダム通過286、エリア指定1406、残241はその間の段階)]
  地図表示(1件ごとにもリンク)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130606/1370491560 (2013.6.6記事)
  近隣計画一覧(リアルタイムで近隣計画の進行状況や計画書自体がアップ)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20131030/1383139006 (2013.10.30記事)
  ロンドンの近隣計画
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160727/1469595742 (2016.7.27記事)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170419/1492571651 (2017.4.19記事(1))
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170419/1492573365 (2017.4.19記事(2))
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170419/1492574594 (2017.4.19記事(3))
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20171206/1512553272 (2017.12.6記事(4))
  最も近隣計画が進んでいると思われる自治体
  ○Westminster区
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130925/1380101087 (2013.9.25記事)
  ○Windsor and Maidenhead
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160303/1456986942 (2016.3.3記事)
  近隣計画の普及・非普及(普及しないエリアがある理由)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150121/1421835604 (2015.1.21記事)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160302/1456880824 (2016.3.2記事)
 ☆近隣のガバナンス(主体形成)
  1)パリッシュの設立(新規設立の場合)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160219/1455859958 (2016.2.19記事)
  2)フォーラムの設立
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20140121/1390275199 (2014.1.21記事) 
  3)BIDとの関係
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150728/1438077156 (2015.7.28記事)
 ☆主体別近隣計画 1)と2)が基本形
  1)townまたはparish評議会(councils)によるもの  
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130114/1358149680 (2013.1.14記事)
  2)近隣フォーラムによるもの
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130605/1370431775 (2013.6.5記事)
  3)ビジネス近隣フォーラムによるもの
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130704/1372911706 (2013.7.4記事)  
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150509/1431167852 (2015.5.9記事)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150728/1438077156 (2015.7.28記事)
 ☆内容別近隣計画 b)-2はb)-1の一部ともいえる
  a)neighbourhood development planを使う場合
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130114/1358149680 (2013.1.14記事)
  b)-1 neighbourhood development orderを使う場合
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20131203/1386068976 (2013.12.3記事)
  b)-2 community right to build orderを使う場合
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130703/1372822564 (2013.7.3記事)
 ☆近隣計画と上位計画
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20131023/1382503096 (2013.10.23記事)
 ☆近隣計画と不服申立て
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160216/1455604725 (2016.2.16記事)
 ☆近隣計画と財源
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20131007/1381153630 (2013.10.7記事)
 ☆近隣計画と日本の「Machizukuri」の関係
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20120921/1348211646 (2012.9.21記事)
 ☆近隣計画の効果の評価
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20141021/1413885477 (2014.10.21記事)
 ☆近隣計画の運用 [(その11)下方のpdfで全体がつかめます。]
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150118/1421577188 (その1・2015.1.18記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150118/1421577515 (その2・同上)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150118/1421577689 (その3・同上)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150118/1421579664 (その4・同上・ロンドン第1号)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150118/1421579693 (その5・同上)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150119/1421664618 (その6・2015.1.19記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150130/1422607577 (その7・2015.1.30記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150201/1422750653 (その8・2015.2.1記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150201/1422799743 (その9・同上)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150204/1423019326 (その10・2015.2.4記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150214/1423871298 (その11・2015.2.14記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150217/1424174273 (その12・2015.2.17記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150519/1432021033 (その13・2015.5.19記事・ロンドン第2号)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150917/1442470751 (その14・2015.9.17記事)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160301/1456809490 (その15・2016.3.1記事・ロンドン第3号)
 ☆近隣計画をめぐる新トピック
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20161125/1480071964 (その1・レファレンダム不通過)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20161126/1480149649 (その2・コールイン)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20171106/1509964612 (その2のその後)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170801/1501558271 (その3・別荘禁止)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20171108/1510131751 (その4・過半がエリアから除外)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20171130/1512024965 (その5・フォーラム代替案)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20171201/1512122919 (その6・近隣計画更新方法)
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20181015/1539575226 (その7・不通過2事例目)
  https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2019/06/24/191947(その8・一度に全市をカバー)
  https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/2019/09/24/155600(その9・(その3)の政策の波及)

□CIL(=Community Infrastructure Levy(2008年法による))
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20131007/1381153630 (2013.10.7記事=制度紹介)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20141028/1414490131 (2014.10.28記事=運用成果と課題)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170414/1492157927 (2017.4.14記事=制度改革議論)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170912/1505207358 (2017.9.12記事=未使用の事情)
 http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170926/1506398488 (2017.9.26記事=具体的配分方法)

■広域計画の廃止と成長政策
□広域戦略計画の廃止とそれにかわる仕組み
 ☆the duty to cooperate
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150203/1422962156 (2015.2.3記事)
□広域主体の廃止とそれにかわる仕組み
 ☆RDA(地域開発公社)の廃止とそれにかわる仕組み
  1)Combied Authority(合同事業機関) 
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130724/1374656479 (2013.7.24記事)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150127/1422332165 (2015.1.27記事)
  2)City Deals(都市契約)
   http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130730/1375154485 (2013.7.30記事)
 ☆成長のための新しい戦略:ヘーゼルタインレビュー
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20130709/1373338697 (2013.7.9記事)
 ☆広域戦略計画廃止の影響
  http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20160218/1455759106 (2016.2.18記事)

〜以下は参考情報です。
2011年のLocalism Actの1つ前の大きな都市計画制度改革だった2004年法とはどういうものか(1)、さらにその1つ前の1991年法とはどのようなものだったかに関する基礎情報です。
(1)2004年法について
『アクションを中心とした成熟社会の新しい都市計画システム』の第1章・第2章をご参照ください。それまでの一枚岩だった計画システムを要素ごとに分解してどこからでも計画が策定・変更できるようにすることで、計画策定期間を短縮化しようとしたもの。こうしておけば時代の変化に迅速に対応できるはずと考えた。
[ダウンロード 12.8Mb]下記記事より
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20110629/1309340498
(2)1991年法について
『イギリスに学ぶ成熟社会のまちづくり』をご参照ください。
[文献情報]⇒リンク集(著書紹介)にて
個別的・恣意的と批判された都市計画の方法を改め、マスタープランにもとづく計画体制とした。「plan-ledシステム」と呼ばれる。2004年法にも基本的考え方は引き継がれている。また、2011年のLocalism Actもこの基本を踏襲しつつ近隣レベルの計画体系を付加したものといえる。