都市は進化する
あれっ? 横浜駅で移動中に、ヘンなポスターを見かけました。芸術祭が百年後だったら、まだ出すの早いんじゃないの?! QRコードで読み取っていろいろ調べてみると、ようやくこのイベントの主催者、参加者、主旨、内容などがわかってきました。 千葉県各地で…
書きかけの「Urban Walk」が次第に増えてきて、現時点で、「Vision 2034 Tokyo」の中でも最初のパートを構成する重要項目になっています。なぜ「Urban Walk」がそれほど重要なのか? とりあえず今のところそうしているわけですが、先日、『散歩哲学』という新…
ル・コルビュジェが計画・設計したとされるチャンディガール。 そのチャンディガールにかつて住み、インドで学士号をとった後アメリカに移り住み今はワシントン大学教授(建築学)のVIKRAMADITYA PRAKASH氏が綴った待望の書が出ました。「待望」しているのは私…
「Vision 2034 Tokyo」はこれから10年後のTokyoの姿を模索しつつ、日々の都市計画に反映しようとするコンセプトですが、ここにきて国土計画上重要な動きがでてきたので少し綴ります。 焦点は新幹線。いずれも2034年あたりに次の進化の段階が来そうなため、「…
紫式部が中宮彰子(一条天皇の妻)に仕えた場所とされる一条院跡を訪ねました。平安宮の北東隅の、大宮通りの向かいにあるブロックに一条院があったとされ、仕事場としては平安宮の中ではないもののすぐ隣ということで、リアルな感じがします。一条院の北側が…
「Vision 2034 Tokyo」の柱の1つUrban Walkの新テーマ「尾根を下る」「川辺を遡る」で、「川辺を遡る」のほうは少し手がかりが見えてきた感じがしているのに対して、「尾根を下る」のほうはどうしても説得力ある切り口のようなものが見えてきません。 そこで…
複雑でわかりにくい品川駅工事ですが、写真の「隙間」部分を埋める形で、「品川駅北口駅改良・駅ビル事業」が進み出しました。写真左側に北口広場の構造がほぼできていて、「隙間」に(高いところで)高さ50メートルほどの駅ビルが建ちます。最近、その工事が…
ナイロビという都市が、ウガンダからモンバサに抜ける鉄道ルート上にあることから建設がはじまり、イギリスからの独立を果たす少し前までの、1899年から1960年までに、誰によってつくられたかを、具体的な場所や主体から目を離さず、じっくりと観察・分析す…
奈良盆地に日本ではじめて都市的地域があらわれた理由を、人口動態から考えてみます。 「社会実情データ図録」の図録7240番を用いて、地域をいくつかにまとめたのが下表です。(縄文時代は紀元前1300年の数字を使います。弥生時代は紀元200年の数字が示されて…
弥生時代の遺跡としては最大の唐古遺跡(唐子・鍵遺跡)をはじめて訪れました。纏向遺跡から数キロしか離れていないこの遺跡の意味を知ることは、日本最初の都市誕生の1つの手がかりになるのではないかと。紀元前1世紀に最盛期を迎えた唐古遺跡(唐古・鍵遺跡)…
2024.2.1に駅前のタクシープールが廃止され、いよいよ新駅ビル本体の工事が間近と思われます。 2030年度までのイメージを、下の写真をもとに整理してみます。 第一。正面に見える駅コンコース(デッキ階)が手前側に延伸され、国道上の大きなデッキを越え、手…
最近気になっている新しい都市計画概念の1つに「国立公園都市(National Park City)」というものがあります(⇒関連記事)。ロンドンで2019年に宣言された国際運動です。 「国立公園」都市だとすると、自然豊かな環境を厳しく保全する「国立公園」に何故(どうや…
横浜プランナーズネットワーク経由で、標記ワークショップが開催されるとの情報が回ってきました。昨日、横浜市のホームページにて公表されたようです。 チラシを見てみると、「都市計画マスタープラン」の改定に向けた検討のプロセスの1つとなつているよう…
本年1月11日にUrban Walk「川辺を遡る」をはじめたところですが、本日、『カワセミ都市トーキョー』という、本ウォークにピッタリの新書を見つけました。平凡社新書1049。2024.1.15刊。 p53に示された「カワセミ生息の後退図」によれば1950年頃までには見か…
2024年3月15日午後2時より最終講義を行うことになりました。これまでの経験を中心に、この分野の教育・研究・実践活動などにつき「語る」予定です。 ⇒詳しくは、大学のHPにて。 [2024.3.25追記] 最終講義の目次をアップします。聴講してくださった皆様にお礼…
新しいUrban Walkを本日スタートします。「Vision 2034 Tokyo」の最初の部分を構成します。1つ前の「 (尾根を下る)新宿御苑から竹芝まで」とペアになります。Urban Walkの目的・目標は(尾根を下る)と同じですが、目撃することになる対象の「見方」が対になり…
新しいUrban Walkを本日スタートします。 「Vision 2034 Tokyo」の最初の部分を構成します。 Tokyoは、武蔵野台地の突端に江戸城が開発・建設され、甲州街道-新宿御苑(北)-半蔵門を結ぶ尾根が都市の「背骨」のようになって、そこから「小骨」がクラスター…
明けましておめでとうございます。本年も一年間、どうぞよろしくお願いします。 2024年の第一話は、今、都市が向かいつつある新しい方向について。 「日経サイエンス」の2024年2月号の書評欄(正確にはサイエンスライター「森山和道の読書日記」)にこの本が取…
ハードルの高そうなテーマですが、Urban Walk「川辺を遡る」のストーリーを考えるため、「橋」に注目したらどうなるだろうかと、ふと思い立ちました。川そのものは手ごわそうなので、まずは、橋。というより、古川にかかる橋の名前は現在も日常的に使われて…
Urban Walk「尾根を下る」&「川辺を遡る」はまだ構想中ですが、「こんなに巨大化した都市も結局、尾根と谷の組み合わせでできていて、都市に降った「水は海に向かって流れる」」(⇒2023.12.16記事)と書いてみて、ふと、この話は「上水道」と「下水道」にも関…
Urban Walk「丘の辺の道」「海の辺の道」は奈良の「山の辺の道」をモデルにしていますが、追加しようとしている「尾根を下る」「川辺を遡る」にはそのようなものはなく、模索中です。 先日、映画『水は海に向かって流れる』を観て、「水は海に向かって流れる…
(仮) Urban Walk Map 1つ前の「増上寺と蝋燭能」のなかで、海から増上寺→東京タワー→麻布台ヒルズというつながりを書いてみて、その先はどのようにつながるのかと地図を見ていると、→東京ミッドタウン→神宮外苑→国立競技場→新宿御苑とつながり、それらは尾根…
「海のゲートウェイ」と名付けた竹芝から浜松町・大門を経て、まさに街路上にデンと構える「大門」をくぐると増上寺に達します(A)。一方、先日オープンした麻布台ヒルズから海に向かい東京タワーの前の坂を下ると増上寺境内の裏に達します(B)。(A)から増上寺…
先日の「街みちネット」の会議で、「全国路地サミット2023 in京都」から戻ったK氏から、標記サブタイトルのついた記事が配布されました。森重幸子先生が『京都だより』(京都府建築士会発行)2022.4号に寄稿された記事(バックナンバーはダウンロード可)で、12…
週間東洋経済の11月25日号に書評が出ているのを見て(今朝の日経新聞書評にも出ている)、これは面白そうだと読むことに。人類学者(デヴィッド・グレーバー)と考古学者(デヴィッド・ウェングロウ)の共著作品。光文社、2023.9.30刊。酒井隆史訳。 読んでみた率…
平城京の宮城(平城宮)を東西に貫く近鉄の移設が合意されたあと、本年新たに就任した奈良県知事が、費用の割にメリットが無いと「待った」をかけています。平城宮の場合、現在ほとんど市街化しておらず「復元」のイメージが湧きやすく「せっかくだから近鉄に…
「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針等」及び「区域区分の決定」の権限が2018年に政令市に移譲されて以降はじめてとなるこれらの改定と、「都市計画マスタープラン」の改定を同時に行うための「基本的考え方」が先週金曜日に答申されました。 同じ自治…
本年1月1日のNHKBS1スペシャルに登場したマッツカート教授(ロンドン大学UCL)の『ミッションエコノミー : 国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた』(NewsPicksパブリッシング、2021.12発売)を翌日読んで、もう少し理論的で突っ込んだ議論がない…
「木造密集市街地」も徐々に防災性能や住環境水準が上がり、そろそろ「これからどのような市街地をめざすの?」という社会ニーズにこたえるべきフェーズに入ってきました。たとえば東京都では『都市づくりのグランドデザイン(2017)』において「木造住宅密集…
「Levelling-up and Regeneration Act 2023」が10月26日の裁可により成立し、本日からようやく「Legislation.gov.uk」サイトで検索できるようになりました。 https://www.legislation.gov.uk/ukpga/2023/55/contents/enacted 本記事を「【研究ノート】Levell…