国際観光温泉文化都市 (都市は進化する2)

縁あって、今週から静岡県伊東市の都市計画にかかわることになりました。いただいた都市計画図を見ると「伊東国際観光温泉文化都市建設計画図」と大きなゴシック体の文字でタイトルが書かれています。

以前より横浜の都市計画も「国際港都建設計画」という、他とは異なる接頭語のようなものがついているのを少し意識していたのですが、「国際観光温泉文化」という、かなり普通とは違う個性的な名称であるため、「これは大切にしなければならない」と思い、書きとめておくことにしました。

根拠となるのは昭和24年から26年にかけて制定された特別都市建設法。いずれも住民投票を経て成立したとされます。当初の15件から1減1増ですが、当初より「特別都市」だった14件をその内容により独自に5分類してタイトルをつけ並べます。

 

(1)戦争から平和へ

・平和記念都市建設法 広島

・国際文化都市建設法 長崎

・旧軍港都市転換法 横須賀/呉/佐世保/舞鶴 (4都市で1つの法律)

(2)国際港都

・国際港都建設法 横浜、神戸

(3)国際文化観光都市

・国際文化観光都市建設法 奈良、京都、松江

・国際親善文化観光都市建設法 軽井沢

(4) 国際観光温泉文化都市

・国際観光温泉文化都市建設法 別府、伊東、熱海、松山

(5)国際文化住宅都市

・国際文化住宅都市建設法 芦屋

 

特別都市建設法については論文なども出ているのでその意味や実態の分析はそれらを見ていただくことにして、ここでは昭和25年に制定された「伊東国際観光温泉文化都市建設法」第一条(目的)を引用しておきます。

「この法律は、国際文化の向上を図り、世界恒久平和の理想を達成するとともに観光温泉資源の開発によつて経済復興に寄与するため、伊東市を国際観光温泉文化都市として建設することを目的とする。」

 

これをどう解釈するか、活かすかどうかは現代に生きる私たちの考え方次第ですが、こうして引き継いだ日本に14(17都市)しかない「特別」の意味を改めて考えてみたいと思います。

 

【In evolution】日本の都市と都市計画
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