2022年度スタート高校「地理総合(必修)」と都市計画 (その2)

昨日文科省で教科書「検定」が終わり、今朝の各紙は「高校教科書「探求」重視」(朝日新聞)などと、一斉にその内容を紹介しています。都市計画との関係では「公共」のほうも気になるところですが、1つ前の記事のような地域学習とからめて、「地理総合」の教科書がどうなったかだけ簡単にみてみます。

 

今回検定にかけられた高校教科書は298点あり、1点が「不合格」、1点が「取り下げ」られた結果296点が合格しています。注目される「地理歴史・公民」では36点が「合格」。(全体で1件だけ「不合格」だったのは「地理歴史・公民」の分野で、具体的には「歴史総合」でした。)

合格した36点の内訳は「地理総合」6、「地図」6、「歴史総合」12、「公共」12です。

本題の「地理総合」6の具体的内容は実物を見てみないとなんともいえませんが、朝日朝刊ではこの内訳は「5社6点」とし、第一学習社、二宮書店、実教出版の例が紹介されています。第一学習社は「北緯35度を旅しよう」について。二宮書店は「日本のエネルギーの将来について考える」について書かれています。実教出版の部分を引用すると、「神奈川県逗子市のハザードマップで3本の避難ルートを示した。階段のないルート、階段が1カ所、2カ所のルート。生徒はふだん車いすの祖母と一緒に避難する場合、どのルートがよいかを考える。知識を具体的な場面で活用できるようにする狙いだ。」

この実教出版の例1つをとっても、生徒ばかりでなく、教える側の教員の経験や知識、具体の現場感覚などがかなり問われるものと思われます。おそらく、そうしたニーズにこたえるような副教材や研修などが今後開発されるのではと想像します。さらに、こうした学習は単なる「学習」にとどまらず、実際に災害に遭遇した場合の「生きるヒント・力」にもなり、実際の地域の防災・減災にもつながりうる重要な要素をもつと考えられます。

 

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