「神奈川県政にみる長期ビジョンとアクション~水源環境税・「千年の森」などを題材に」

昨日の「地域創造論」(第3回)で蛯名氏((株)ケイエスピー常務取締役/横浜国立大学理事)にお話しいただいた標記の講義の中で、神奈川県の歴代6知事の「長期ビジョンとアクション」の流れがきわめて印象深く、かつ具体的にまとめられていました。内容そのものはこの講義を聴講しないとわからないのですが、「次世代の横浜・神奈川地域像を素描する」と2021-2023年度のテーマ設定をしたこの大学院講義の根幹となりそうなお話だったので、記録として残しいつか他の話とともに公表したいと考えています。

 

そのポイントだけ書きとめてみます。

第一。冒頭のところで、戦後すぐの「地方自治」ということの意味を、神奈川県を例にお話しされたところが印象的でした。

第二。これだけ長い「戦後」(およそ75年)をたった6人の知事が担ってきたこと自体が驚きです。こうした長いスパンで知事を務めた6人が、それぞれの時代を切り開くような「長期ビジョン」を掲げてしっかりした政策に落とし込み、「アクション」を起こしていったさまが骨太に語られました。同じ75年間に国の総理大臣は30名以上いたことを考えると、「時代」の変化を踏まえて「ビジョン」を描き実行することの意味の違いを感じざるを得ません。

第三。そのビジョン自体の設定の仕方やかかわり方が個性的かつ先進的で、比較的動きやすい地方の意義が感じられます。

第四。アクションの事例として主に取り上げられた「水源環境税」「千年の森」という2つの事業が、大学の研究成果やその社会実装という意味でよく見えて(よく見えるように話していただいて)、研究が地域(・社会)貢献するとはこういうことなのだという意義が強く感じられました。

 

言葉にするとこのような感じですが、言い尽くせない1つ1つの要素をたどっていくと、今日語られる「地方創生」の真の姿がリアルに立ち現れるものと思います。

 

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