平安宮(その2):紫式部の仕事場と執筆場所(イメージ)

紫式部が中宮彰子(一条天皇の妻)に仕えた場所とされる一条院跡を訪ねました。平安宮の北東隅の、大宮通りの向かいにあるブロックに一条院があったとされ、仕事場としては平安宮の中ではないもののすぐ隣ということで、リアルな感じがします。一条院の北側が一条通り。南を中立売通が東西方向に伸びます。

紫式部の自宅は現在の廬山寺あたり(平安京の東端)にあり、そこで源氏物語を執筆していたとされるので、どうやって仕事場へ行っていたのか想像してみます。

『光る君へ』(NHK大河ドラマ)はまだその前の段階で、お付きの者を伴いいつも徒歩で移動しているので(道長はよく馬に乗っている)、仮に一条院にも歩いて通勤していたとすると、中立売通をまっすぐ行くのが最短距離です(廬山寺も中立売通にほど近い)。その距離1.5km強。20分くらいで移動できたのではと想像します。

勤務時間は定かでありませんが、一条院などで見聞きした材料を用いて、帰宅後、執筆活動にいそしんでいたのでしょうか。

と考えると、平安時代中期の都市生活の様子がリアルに感じられた気分にもなります。平安時代後期ともなると郊外へと都市が拡張されるので(岡崎方面や鳥羽方面)、移動手段も変化していったのかもしれません。

 

一条院位置(隣の「別納(べちのう)」は付属施設)



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【In evolution】日本の都市と都市計画
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