RECONSIDERING JANE JACOBS

MAX PAGE and TIMOTHY MENNEL編、American Planning Association刊、2011。
①伝記的ジェイコブズ論、②解釈的ジェイコブズ論、③世界各国・各都市におけるジェイコブズの影響論(②のバリエーション)、④アメリカ都市計画界に与えたジェイコブズの影響論、などにより構成される新たなジェイコブズ再考本。
①や②③は他にもありそうですが(例えば、①は『URBAN VISIONARY』⇒7/19の本ブログ記事、②③は『都市の本質とゆくえ』鹿島出版会、2011など)、④の論説は新鮮でした。タイトルも「Jane Jacobs and the Death and Life of American Planning」(著者はThomas J. Campanella氏)。
文章のもっていき方もたいへんおもしろいのですが、要点をあえてまとめると、ジェイコブズの影響で、①アメリカ都市計画には学問的アイデンティティが喪失し、②プロフェッショナルとしての権威が失墜し、③かつては存在したビジョンも無くなってしまい、リチャードフロリダやレムコールハースのような有名人もいない。つまりアメリカ都市計画は死んでしまったのか! と嘆く著者。
しかしこの著者は最後に、次の「Life」に辿り着きます。それは、都市計画で飯を食わせていただいている者には一応明るい希望なのですが、、、(ここでは結論は伏せておきます)。