MITメディアラボ 魔法のイノベーションパワー

早川書房2012.8.25刊。前所長のフランク・モス著(千葉敏生訳)
『世界を変えるデザイン』(英治出版2009)をこの読本でとりあげようとしていたところ、そのような流れをつくる水源の1つともいうべきMITメディアラボに関する本が出ていることに気づきました。もちろん、イノベーションを生み出すシステムそのもののを扱ったこの本に注目します。
日本語の副題がこうなっているのは、原文の本題がさらに個性的だからだと思います。むしろ原文の副題の「How the Digital Magicians of the MIT Media Lab Are Creating the Innovative Technologies That Will Transform Our Lives」が、この本の内容を忠実に表現していると思います。
この本の131頁には発明とイノベーションの違いが解説されていて、発明が「それまでにない革命的なアイデアやテクノロジーを考え、生み出すこと」なのに対しイノベーションが「そのアイデアを実行に移し、利用する方法を見出すことも含む」としています。「メディアラボは150人ほどの大学院生を抱えるまでに膨れ上が」ったと記述されていますが、私たちの都市イノベーション学府の大学院生は250人。文理融合の新大学院として、「That Will Transform Our Lives」のような教育研究機関をめざしたいものです。