ロンドンにおける近隣計画の最新動向(5):第8〜11号の話

2017年10月にロンドンで7番目の近隣計画がレファレンダムを通過しました(⇒関連記事)。その後少し間が空きましたが、2018年5月から10月にかけ、4つの近隣計画がレファレンダムを通過したと、Planning2018.11.9号に紹介されています(p32)。それらは、

第8号 2018.5 West Ealing Centre (Ealing区)
第9号 2018.6 Hampsted Town (Camden区)
第10号 2018.10 Knightsbridge (Westminster区)
第11号 2018.10 Ham and Petersham (Richmond upon Tames区)

です。なかなか興味深い事例ばかりなので、どのように興味深いかをまとめたうえ、今後できれば1つ1つ取り上げてみたいと思います。
第8号のWest Ealingは7号のCentral Ealingに続いてビジネス近隣計画です。これら2件は当初より検討されていたもので、ここにきて両者とも近隣計画となりました。第9号は、あのハムステッドの近隣計画です。最もロンドンらしい場所の1つで、近隣計画をどのように活用しようとしているか興味が湧いてきます。まちづくりに熱心なカムデン区の事例でもあり、計画策定後も「Planning Watch」という活動を行っているようです。第10号はウエストミンスター区初の近隣計画として注目しています。この区では区内のほぼ全域で近隣計画の取り組みがなされています。まんべんなく区域どりをするために多少無理をしているようでもありますが、ハロッズとハイドパークにはさまれアルバートホールやロンドン大学も含むこのようなエリアでの近隣計画とはどのようなものでしょうか。第11号はリッチモンド区初の近隣計画です。この区域はテムズ河沿いの歴史的ランドスケープにも恵まれた郊外住宅地で、これまでの近隣計画とは異なるキャラクターをもちます。リッチモンド区の都市計画の中での近隣計画の文脈も含めて興味が湧くところです。
共通して、新NPPF時代の新しい近隣計画であるため、「近隣計画書」としての策定内容、近隣フォーラムの活動など、見どころもたくさんありそうです!

[関連記事]
・ロンドンにおける近隣計画の最新動向(3)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20170419/1492574594