2021年3月に、新しいロンドンプランが公表されました。
2004年(ケン・リビングストン市長)、2011年(ボリス・ジョンソン市長)に続く、サディク・カーン市長によるロンドンプランです。
https://www.london.gov.uk/what-we-do/planning/london-plan/new-london-plan/london-plan-2021
500ページを超える内容のため、おもしろいと感じた点を2点だけ記します。
1つ目。第2章の「Spatial Development Patterns」。76ページあります。この部分は単純に、「これからロンドンはどう進化・発展していくの?」という興味から、大都市圏レベルでのさまざままなプロジェクトや都市構造がらみの政策の最新情報を知ることができます。
2つ目。第9章の「Sustainable Infrastructure」。「〇〇 Infrastructure」と「インフラ」という用語が使われるのは他にも第5章(Social Infrastructure)、第8章(Green Infrastructure and Natural Environment)がありますが、「Sustainable Infrastructure」という概念は他にあまり見たことがありません。諸政策をどのような概念の束で表現するのかは市長が変わるたびにかなり変わり、よく見ないと比較も困難ですが、この「Sustainable Infrastructure」は66ページと、第2章に次ぐ分量があります。内容としては環境管理計画に近いものが並び、CO2削減やヒートアイランド対策も含まれるのですが、最後の4政策にまたがる「Waterways」というのがロンドンらしくとても興味が湧きます(前市長のロンドン計画では「ブルーリボン」の概念のもとにもっと多くの政策が束ねられていたのと比べると、分量はそう多くはありません)。テムズ河畔の政策をはじめ、内陸部でネットワークとなっている運河や流量豊かな小河川などが、交通・景観・レクレーションなどと関係しながら重要なロンドンの資源となっていることがわかります。
計画期間は2041年まで。
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・新しいロンドンプランの案が公表されました
https://tkmzoo.hatenadiary.org/entry/20171220/1513749556
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