『挑戦』v『2030年』(AIは世界をどう変えるか(その7))

3月。

対極的な内容の書を並べ、近い未来を考えます。

『挑戦』。(その1)以来気になっている、藤井聡太氏がどうやってAIを味方につけているかについて書かれた本。対談形式でさまざまなことが話題になっていますが、AIに絞って読むと、他のどのAI本にも書かれていない、「AIと人間の強みの違い」「人間がどのようにAIの力を活かして成長できるか」などが将棋を通して語られています。講談社2021.12.6刊。副題は「常識のブレーキをはずせ」。

『2030年』。「すべてが「加速」する世界に備えよ」との副題のとおり、これでもかこれでもかと最新のテクノロジーの進化のさまを畳み掛けます。ニューズピックス2020.12.22刊。

 

1つずつ最も印象に残った点をあえてあげるとすると、、、

『挑戦』。対談相手の山中氏(←iPS細胞の)に「AIにはできないというか、人間だからこそできる、人間だけが持っている能力の面白みはどこにあると思いますか?」と問われて、「やっぱり大局感や発想というところだと思います。」と答えているところ(p158)だと思います。そのあとに続く言葉もなかなか他では聞けないものばかり。

『2030年』。「コンバージェンス(convergence)」という概念で語るテクノロジーの相乗効果のリアリティー(開発中の事例の事典のようになっている)でしょうか。3部構成の第1部が相当します。

 

普通は無い組み合わせですが、『挑戦』×『2030年』の組み合わせによって、どっと、考えるべき宿題(とヒント)をいただいた気がします。


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