「静岡」のイメージを一新する視点場の話 (都市は進化する168)

2022年7月23日にオープンした「静岡市歴史博物館」。まもなく一周年です。

その3階にあがったところに、「静岡」のイメージを一新する視点場があり驚きました。「一新する」といってもされたのは私なので、勝手な話ではありますが、かなり一新された。「視点場があり」といってもそうとらえたのも私なので、それも勝手な話。正確にいうと、「視点場があり」というより、そのカーブを描く廊下に沿って自分が動きながら短い間に体験する視覚の構成が他にない。少なくともこれまで「静岡」だと思ってきたこととまったく違う。そのため一新された感じになる。

今まで「駿府城公園」には何度か行きましたが、他の場合と同様、普通は地べたに沿ってグルグル回る。天守閣があればそこに登って「ウォー~ッ。」などと眺めながら1周する。あるいは「高い所に登れば全体が見えるにちがいない」と、以前、県庁の「展望ロビー」に登ったりはしましたが、抽象的な風景は確かに見えたものの、それ以上のものではなかった。

「静岡市歴史博物館」の3階は3階なのでそう高くはないですが、微妙に高い。その微妙な高さゆえに駿府城公園の「今までに見たことのない」緑に覆われた様子が眼前にひろがり、その奥には静岡を取り囲むそう高くはない山々の緑が取り巻く。そして、右前方に富士山が静かに見えている。1年のそれぞれの季節の、1日のそれぞれの時間の富士を眺めてみたくなる。眺めていたくなる。

今、天守台の発掘調査をせっせと行っていますが、当初はあったとされるその天守閣の上階から見た眺めよりも「静岡市歴史博物館」の3階から見た眺めのほうが美しいかもしれない。天守閣は「敵が攻めてこないか」を監視すべき場所なので、眺めが美しすぎるとすぐにやられてしまうので、そんな風には設計しなかったのでしょうが。

 

ということで、話が視点場に集中してしまいましたが、今川家の「その後」についても発見と驚きがあり、ある意味、これも「静岡」のイメージを増幅してくれました。他にも見どころはたくさん。

「静岡市歴史博物館」の設計者。気になった方は調べてみてください。

 

 

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