市町村の復興まちづくり推進のために活用が打ち出されているCM(コンストラクションマネジメント)方式ですが、URが間に入った方式(「発注者代行型」のうち市町村からURが受託しURが発注する方式⇒URの復興支援参照)に続いて、10月19日には山元町が「発注者支援型」による業務提案の受付をはじめました。10月30日まで参加表明を受け付けています。
http://www.town.yamamoto.miyagi.jp/fukkou/cm_puropo.html
山元町が支援を求める内容は多岐に渡りますが、基本的には常磐線の内陸側への移設(⇒参考記事)を伴う形で復興計画に位置づけられた3地区計約56ヘクタールの市街地の整備基本計画の策定、地元調整補助、測量、用地買収補助、工事・設計の発注支援等です。発注者から事業の代行を任される「発注者代行型」と違って、行政が主導権をもちながら特定業務の支援を求める「発注者支援型」。展開を注視したいと思います。
「発注者代行型」と「発注者支援型」の間にはさまざまなバリエーションも考えられますが、とりあえず2つの型に整理していきます。
■発注者代行型
□うち、市町村からURが受託しURが発注する方式
・⇒上記の「URの復興支援」へ
□うち、市町村が直接発注する方式
・宮城県のDB(デザインビルド)方式。多数の防災集団移転事業推進のために検討されているといわれる新スキーム。市町が用地取得を行った後、詳細調査・設計、地元調整、工事等を一括して民間コンソーシアムに発注する方式。
■発注者支援型
・山元町(上記)
・釜石市：URへの業務委託(片岸・鵜住居地区、花露辺地区)[=発注者代行型]、岩手県土地開発公社の代行契約(室浜地区、根浜地区、桑ノ浜地区。その主旨説明は2012.9.14市長記者会見へ)[=発注者代行型]に加えて、発注者支援型のCM方式により復興事業推進。
【釜石市の関連資料】
・CM方式導入の説明資料(2012.11.21)
・公募型プロポーザルのお知らせ(2012.12.17。2013.1.10までが受付期間)
・七ケ浜町：「工事を伴わない包括委託方式」。業務内容は復興整備計画策定から換地設計、測量、工事監理まで多岐に渡り、特に中心となる管理技術者は「復興まちづくり業務全般を総括し、事業全般のコーディネート及びマネジメントを行います」「町復興担当と直接交渉し、スケジュール管理や関係機関との調整などを行います」と、チームを率いて復興まちづくり業務全般を担う形です。
http://www.shichigahama.com/benricho/oshirase/documents/c70-980_1.pdf
・石巻市：復興まちづくりマネジメント支援。2013.11.15に公募型プロポーザル情報が出ました。
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10184000/0002/20131112115514.html
□発注者の発注支援型
・石巻市：大きく見ると発注者支援型ですが、発注者からの発注自体を支援する形で350億円(以内)の大型工事の発注をURが支援しています。2013.11.14に石巻市から公募型プロポーザル情報が出ました。
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10185000/8802/20131112195831.html
同時にこの事業の管理業務のための公募型プロポーザル情報が出ています。
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10185000/8801/20131112191108.html
もとをたどると2013.9.2にURと石巻市の間で結ばれた「工事発注支援に係る相互協力協定」に基づくもののようです。
http://www.ur-net.go.jp/press/h25/ur2013_press_0902_ishinomaki.pdf
とりあえず付け足してみましたが、人手不足の中でさまざまな発注方式が試みられています。URの支援にあたる人数も2013.11.1時点で325名となっています(2012.9.1時点では202名)。
[2014.1.28追記：本日、石巻市のHPに上記工事および事業等管理支援にかかわる事業者選定経緯がアップされました。
(工事)http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10185000/8807/sekoucmr_keii.pdf
(事業等管理支援)http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10185000/8807/kanricmr_keii.pdf
