盛土造成地の被害

3.11から2年半を前に、8月、はじめて仙台の盛土造成地被害の現場を歩きました。
最も被害の大きかった場所の1つで、防災集団移転促進事業区域となり、「高台移転」と同様に復興公営住宅や他の造成宅地に移転するスキームが動いています。とはいえ現場は今でも谷側に滑りつつ下方に沈下したさまがありありと残り、街路も一部通行止めとなったままの状態です。
例えば横浜市には大規模造成地が3558箇所もあることが確認されていて(⇒市の調査結果URL)、しっかりした工事がなされず地下水位が高くなっている盛土造成地では、長時間強く揺すられることで地盤面が動くことも考えられます。3.11を踏まえて『横浜市都市計画マスタープラン 全体構想』(2013.3)においても「被害を最小化するための減災都市づくりの方針」のなかで、「大規模盛土造成地の分布状況調査の結果公表等による周知や、災害防止対策の実施など、必要な対策について検討します」(p114)と記載されました。

仙台市宅地保全審議会が3.11の被災を踏まえて精力的に調査分析を行い対策に結びつけていった経緯が、現在(2013.9.2時点)HPに公開されています(時間が経過すると平成23年分から資料がHP上から消されていく可能性があります)。
平成23年仙台市宅地保全審議会資料(仙台市HP)
http://www.city.sendai.jp/fuzoku/1204043_2699.html
平成24年仙台市宅地保全審議会資料(仙台市HP)
http://www.city.sendai.jp/fuzoku/1208132_2699.html
審議会のもとに設けられた専門委員会も含めて、特に高度経済成長期に形成された宅地造成区域における被害の実態と原因分析、対策のあり方、施策対応の具体的方法に関する貴重な資料としての意義ももっていると思います。

[参考]本ブログの東日本大震災復興計画・復興事業「★統合ファイル