Country Brand Index

オリンピック開催都市決定に関連して、FutureBrand社が毎年出している「Country Brand Index」という指標に興味をもちました。国際的に働くビジネスパーソンや旅行者など、世界18カ国から選ばれた3600人の意見を踏まえて各国のブランド力を評価した2012年度の調査で日本は世界3位となっています。
その国を「知っているか」からはじまり、「よく知っているか」、「思い浮かぶ質の高さ」と進み、「尊敬し共鳴できるか」「訪問・投資・消費の対象として考慮するか」「それらを実際に人々がどの程度するか」「訪問した人は家族や友人・同僚にその国を薦めるか」まで、次第に意識や意思決定の程度が強くなるよう構造的にとらえられています(HIERARCHICAL DECISION MODEL)。
例えば2011年度の調査で日本は「知っているか」が19位、「よく知っているか」が14位、「思い浮かぶ質の高さ」が4位と次第に上がってきてこの「4位」というのが2011年度版の結果としてよく言及される数字ですが、「尊敬し共鳴できるか」は7位。これは結構高い評価ですが、「訪問・投資・消費の対象として考慮するか」は15位、「それらを実際に人々がどの程度するか」は17位、「訪問した人は家族や友人・同僚にその国を薦めるか」は15位となっています。

スイス、カナダに次いで3位だった2012年度の「思い浮かぶ質の高さ」を5つの項目ごとに並べると次のような結果です。(15+は16位以下)
Value System 13(Environmental Friendliness 7, Freedom of Speech 15+, Political Freedom 15+, Stable Legal Environment 15, Tolerance 10)
Quality of Life 8(Education System 8, Healthcare System 8, Job Opportunity 15+, Safety 10, Most Like to Live in 14, Standard of Living 7)
Good for Business 3(Advanced Technology 1, Investment Climate 4, Regulatory Environment 8, Skilled Workeforce 2)
Heritage and Culture 3(Art and Culture 3, Authenticity 1, History 8, Natural Beauty 15+)
Tourism 2(Value for Money 6, Attractions 1, Resort and Lodging Options 15+, Food 3, Shopping 5, Beach 15+, Nightlife 10)

日本というブランド(実際にそうかどうかというより、抱くイメージや、実際にとった行動等から構造的にとらえている)をグローバルな視点でとらえる方法として興味深く思います。直接都市そのものは評価していませんが、都市イノベーションや「住みたい都市」を考える手がかりの1つになりそうです。


[2023.11.21追記 : 2020年版に再リンクします]
https://www.futurebrand.es/wp-content/uploads/2020/11/FutureBrand-Country-Index-2020_compressed.pdf