オフィスから住宅への転用が許可無しでできることをめぐる騒動(その2)

都市計画の専門紙の表紙とは思えないような怒りと不満顔の4人。なにやら不穏な空気が、、、
許可無しでオフィスから住宅への転用ができる規定のために、2度も大家から追い出された小さな社会企業のメンバーでした(追い出されたため近くのビルに転居したらまたそこでも追い出されることに)。Planning2014.5.9号の記事(p14-17)では、たとえばロンドンのカムデン区ではこの規定変更のために1600の雇用が失われたなどという数字をあげています。
ただしこの記事でのポイントは、これに加えて2014年4月6日から多くの転用が許可無しでできるようになったこと(たとえば商店から住宅)、政府ではさらにこうした制度を拡充整備しようとしていることにあります。それは「3段階システム」と呼ばれるもので、戸建住宅の小規模な拡張等に与えられる自動的許可と、一般の開発に対する許可との間に、「事前承認(prior approval)」という特定要素だけをチェックする手続きを体系的に設けようとするものです。この事前承認は、「オフィスから住宅への転用が許可無しでできる」とはいえ実際にとられているやり方で、オフィスから住宅への転用の場合は洪水と車関係と汚染(contamination)の有無のみを判断しているようです。
こうした事前承認を拡大しようとする動きに対しては賛否両論があり、なし崩しに多くのものが許可不要となると現行の都市計画運営ができなくなる(否)、との意見がある一方、手続きの程度はその開発が与える影響の程度に応じて合理的に設けられるべきであり今回の検討もその一環ととらえてよいのでは(賛)との意見も紹介されています。

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