『これからの日本に都市計画は必要ですか?』

「えっ、日本でも都市計画やってるの?」
「、、、」
これが1993年に30代の自分がイギリスで体験した最もくやしい言葉でした。
港北ニュータウン研究会第100回の日(おととい)、『これからの日本に都市計画は必要ですか?』(学芸出版社、2014.6.1刊)の編著者M氏と議論する機会がありました。9月5日の建築学会都市計画研究協議会でも話題になっていたこの図書をまだ読んでいなかったため、事後的ではありますが、本日きちんと読ませていただきました。

冒頭の、あまりに厳しい“国際認識”を20年以上経っても昨日のことのように思い出す自分にとっては、『』とのタイトルの問いは、日本では都市計画をやってきているという前提であるとの次元が確認でき、また、最後のところで、今度は日本から欧米等に目を向けてこれからの日本の「都市計画」のありようを展望しようとする、たいへん興味深い内容でした。

けれども本当は上記のような“国際認識”は無くなってはいないと思われるし、事実、本書をよく読むと、日頃使っている「都市計画」なる実態(および認識)が、実はいまだあいまいな、進化途上の言葉であると同時に、誰に向かって話すか(国/地域/主体)によっても大きくその内容が異なってみえることがわかります。
「都市イノベーション」どころか「都市計画」でさえ、まだまだ開墾の余地がたくさん残されているようです。

[関連記事]
・「日本の都市計画制度の課題と新しい取り組みに関する全国調査」を投稿しました
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150906/1441497410
・『都市計画の理論』(都市イノベーション読本 第32話)
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20120117/1326765452

[参考]
・【研究ノート】新しい都市計画システムの研究
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/20150424/1429839716