都市イノベーション開墾
ドバイではじまった「都市イノベーション開墾」も第50話。 前回の『家康、江戸を建てる』の現代版といえなくもないリニア新幹線工事が今回のテーマです。 なかでも「三大難工事」の1つといわれる品川駅工事(他の2つは南アルプストンネルと名古屋駅)。上の新…
『真田丸』(NHK大河ドラマ)では先週、家康が上洛。秀吉の天下統一はさらに一歩前進し、これから小田原攻め(1590)へと向かいます。その小田原での会話からこの時代小説は始まります。 「されば家康殿、このたびの戦がすみしだい、貴殿には北条家の旧領である…
一昨日、横須賀市のHPに改訂された『横須賀市都市計画マスタープラン』がアップされました。 https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/4805/tokei/tosimasu/ttoshi.html 首都圏に位置するとはいえ人口減少が続く横須賀市のマスタープランでは「都市魅力で選ば…
先週スタートした大学院授業「市街地創造論」に関係しそうな、これからの都市にかかわっていくためのたいへん興味深い図書を1つ。 といっても本書は昨日紀伊国屋書店で“発見”したばかりで、まだ読み終わっていません。 RYAN GRAVEL著、St. Martin's Press、2…
2013年8月の「八戸からいわきまで」では、公共交通の復旧・復興を軸に、4つの地域に分けて課題をとらえました。第一が三陸鉄道区間。第二がJR山田線、大船渡線、気仙沼線沿線、第三が復興まちづくり事業と合わせた仙台大都市圏の各エリアの復興、第四が原発…
今後15年間の東京圏の都市鉄道整備計画の案が、本日8日より1週間(だけ)パブコメにかかりました。 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155160802&Mode=0 各紙で報道されていますが、どれも断片的な内容。上記URLに全文が掲…
地域まちづくりや地域連携研究などについて、コンパクトかつビジュアルにわかりやすく編集した、地域実践教育研究センターのAnnual Report(2015-2016)が公開されました。 http://www.webline.jp/info/chiki-ct.ynu.ac.jp/info_js/data/1459761266ptwqz.html …
横浜市地域まちづくり推進条例第17条の規定にもとづき、標記情報が公表されました。 http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/chiikimachi/joureiseido/suishinreport/ 規則でその公表を2年に1度と定めているため今回が5度目となります。 [4月27日追記 : 本条…
『PARTICIPOLIS』は、近隣住民が、都市計画や都市の基本的インフラ整備・維持・管理に「参加」することをめぐる可能性や課題について多面的に議論した興味深い図書です。副題は、「Content and Contention in Neoliberal Urban India」。ROUTLEDGE、2013(pap…
本ブログで「はじめて復興地域全体をとらえた」のが2013年8月。被災から2年半後の様子です。この春、「3.11」から5年となるのを機に、都市計画の立場から再度、復興地域全体をとらえ、復興の現状を確認します。 前回の「八戸からいわきまで」では、公共交通…
日本の各地で現在、人口減少時代の都市計画として「立地適正化計画」の策定が進んでいます。「立地適正化計画」は都市計画マスタープランの一部とされますが、都市内部の各近隣が主体となってまちづくりを行い、かつ、都市全体のマネジメントも行うようなイ…
SIMIN DAVOUDI AND ALI MADANIPOUR編著、ROUTLEDGE、2015。 「ローカリズム」という概念や実践、およびそれに伴う可能性や課題について、世界的にみてもこれまであまり(ほとんど)検討がなされてこなかったと位置づけながら、この分野に接点のある専門家らが1…
先週、東京都港区から標記の計画書が届きました。日本の中で最も二酸化炭素排出量が多い東京港区でなぜこのような計画をつくるのか、といった疑問も出なくはないと思いますが、ある意味、日本一排出している場所であるからこそ策定の必要が最も高いともいえ…
「何だ、これ?」 ほぼ全域で近隣計画を策定中のロンドン・ウエストミンスター区では(⇒関連記事)その後多くの近隣計画区域でその策定主体となる「フォーラム」が設立されていますが、設立されたフォーラムのリストの欄外に、「The Queens Park Community Coun…
復興市街地の中ににぎわいをつくり出すための「まちなか再生計画」の認定が進んでいます。 復興庁のHPにもまとめたページができていました。 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-15/20141222155015.html特に注目されるのは、にぎわ…
世界最南端の都市はどこだろうかと、このところまたどうでもいいことを考えたり、『カラー版 パタゴニアを行く』(中公新書、2011)をペラペラめくって南へ南へとイメージをふくらませていたところ(章構成もそのようになっている)、今朝、なぜか朝日新聞で南極…
ヨーロッパの都市計画システムについて体系的に書かれた1996年の『Urban Planning In Europe』(P.NEWMAN and A.THORNLEY著、ROUTLEDGE)が法的・行政組織的側面を分析軸としてヨーロッパ諸国の都市計画を「planning family」で分類し体系的に紹介していたのに…
昨年9月5日。「沼津港みなとまちづくり推進計画」を検討する会議に出席しようと沼津市を訪れた際、隣の会議室がザワザワしているので何か重大事でもあったかと尋ねてみると、ちょうど、都市計画道路整備中にみつかった高尾山古墳の取り壊しを市長が撤回した…
先週、とある組織の会議で大阪の会員数が話題になりました。(やや脚色。) 「このところ大阪の会員がのびないねぇ」 「そうですね。大阪ぐらいなら東京からの出張でこなせますから、、、どんどん会員は東京に集中しています」 「このままでは、日本中がどんど…
Gavin Shatkin編著、WILLY Blackwell、2014刊。副題は「Global Visions and the Politics of the Local」。 昨年11月にブータンに行く際、途中、インドアッサム州の州都グワハティーに立ち寄った(ティンプーに着いたと思い降りそうになったことは笑い話とな…
昨日、ギリシャのピレウス港が中国により「買収」される見通しになったとメディアで報じられました。具体的には中国のcocosグループがピレウス港国営運営会社の発行済み株式の51%を取得するというもので、これまでロッテルダムやハンブルグ等が優勢だったヨ…
昨日の日経新聞文化欄に、「開拓魂 江戸の発展支える」と題する記事が紹介されました。東京江東区の砂町、横浜の吉田新田、横須賀の内川新田(これは今まで知らなかった)の開発に携わった「江戸の名デベロッパー」との書き出しに強く引きつけられ、普段は読ま…
伊藤俊太郎著、講談社学術文庫1780、2006刊。 私が今パソコンで字を書くことができるのはコンピューターのおかげで、それは元をたどると科学的精神で自然の中からさまざまな法則を発見したおかげで、なぜそれができたかというと宗教や感情に左右されず客観的…
地球上に都市が発生しつつあった頃、地理的に離れた都市Aと都市Bは、偶然にも同時期に形成されたのか? それともよくみると、ジェイコブスが観察するような(⇒関連記事1)相互関係(創発)があったのか? 本書は、今まで謎とされていたモヘンジョダロ(インダス文…
副題は「A Case for Truly Smart and Sustainable Cities」。Duncan McLaren and Julian Agyeman著、MIT Press、2015刊。 1月3日の日経新聞「この1冊」欄で『限界費用ゼロ社会』(ジェレミー・リフキン著、柴田裕之訳、NHK出版、2015.10.30刊)が根井雅弘教授…
アメリカ諸都市に最近強くみられるようになった中産階級の都心回帰傾向を、これまでの郊外化からの「反転(inversion)」ととらえ、これからのアメリカ都市について考えたルポルタージュ風論説集。9章構成のうち2から9章がケーススタディーとなっていて、シカ…
9月にスタートした「都市イノベーション開墾」も、第24話です。 ドバイにはじまり中東・アラブ諸都市、ラテンアメリカをとりあげ、マンフォードの「Cities in History」に記述されていない非欧米視点を補おうと、うろうろ。GNHの国ブータンにも行ってきまし…
川勝平太著、藤原書店2012刊。 「都市を通してみた新しい世界史・文明史・地球史のような」「ヒストリー(ストーリー)をつくること」、の最近の成果例を10月22日の記事で4つあげましたが、今回とりあげる『「鎖国」と資本主義』は、大風呂敷で実証困難と思わ…
講談社学術文庫2192。2013刊。元は岩波書店。原書は1974年。ウィリアム・H・マクニール著。 学部の講義「都市と都市計画」で毎年受講生にきいている「注目する優れた(好きな)都市、都市計画は?」で、今年トップになったのはベネチアでした(10人。国内では同…
「永遠に続く」と思っていたサグラダファミリアの建設は、技術の進歩等により2026年には完了してしまうと聞いてガッカリ、というのが正直な気持ちですが、サグラダファミリアの映画が公開されると知り、さっそくEシネマへ。なかなかの感動作です。 「感動」…